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〈食卓ものがたり〉黄緑鮮やか 伝統野菜 山東な(さいたま市)

2022年5月9日 11時02分 (5月9日 11時52分更新)
 

ハウスで青々と育った「山東な」を収穫する池田昌司さん=さいたま市岩槻区で

ハウスを埋める鮮やかな黄緑色。さいたま市岩槻区の池田昌司(まさじ)さん(67)が、二十五〜三十センチに育った「山東(さんとう)な」の根元をはさみで切って収穫していた。
 明治初期に中国の山東省から伝わったとされる山東菜。埼玉県南東部で栽培されてきた伝統野菜で、小束用に早く収穫するため改良されたものを地元では「山東な」と表記する。「べか船」という小型の運搬船で運ばれていたことから「べか菜」とも呼ばれる。
 十六年前に亡くなった池田さんの父が戦後、春先に栽培していた。二代目の昌司さんが引き継いで三十五年。品種改良とは無縁で、同じ種を使ってきた。同区では九人の生産農家が、年間約二百四十トンを埼玉県内や東京都、神奈川県などのスーパーに出荷している。
 一方、正月の漬物用として栽培される「花芯(かしん)山東菜」も山東菜の一種だ。ハクサイより一回り大きく、埼玉県越谷市で、十数人の生産農家が約四十六トンを出荷している。
 池田さんは「山東な」を年六、七回収穫。最盛期は四〜五月、十〜十一月の春秋だ。以前、コマツナも作っていたが、十年前にやめて以来、山東な一筋。「コマツナの方が作業が楽だけどね」と笑う。山東な...

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