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<ダイアリー> うその電話

2022年5月7日 05時05分 (5月7日 11時35分更新)
 二十九年前、次男が高校生の時の忘れられない思い出がある。
 ある朝、突然、次男が「きょうはバイクの免許を取りに行くから学校を休む。体調が悪いから休ませると電話して」と言ったのだ。
 次男は目立たないごく普通の生徒で、それまで学校から呼び出されるような問題を起こすことはなかった。私は一瞬、戸惑ったが、「うそはつきたくないから自分で電話して」と言った。そのころは今のような携帯電話などない。次男は困った顔をしていたが、私の前で電話をかけて「熱があるので休みます」と学校に連絡した。
 そして、「友達と免許を取りに行く約束をしているから行く」。約束を破ることはつらいことだったのだろう。また、「法律で免許を取ってもいいのに、なんで校則ではダメなんだ」と怒りをぶつけてきた。
 「それはそうだよね」と答えたが、私は(1)だったら校則を変える(2)免許は取るが乗らない(3)バイクに乗るために退学する−の三択を提案し、本人に任せることにした。
 (2)を選択した次男は、今では一男一女のお父さんだ。=豊明市、主婦丸山千代子(74)

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