「店つぶれる」自粛もう限界 緊急事態宣言延長 

2020年5月1日 02時00分 (5月27日 05時34分更新)

政府の緊急事態宣言を受け、臨時休業の張り紙が目立つ繁華街=30日、浜松市中区で

 店の営業は、子どもの教育はどうなるのか-。五月六日までとされていた新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言が延長される見通しとなった。「持久戦」を口にする安倍晋三首相だが、そのための国の支援は明言していない。県や浜松市など自治体の休業要請や協力金支給の先行きも不透明で、自粛を続ける人々の声には疲労が色濃い。
 「最悪の場合を想定していたので、休業要請が延長されることも考えている」。浜松市で「ラーメン三太」など三店を営むサンエー(中区)の北嶋健太郎副社長(41)はそう話す。
 市の要請期間より一週間早い四月十八日から全店休業に。創業から二十年、炊き続けてきた自慢のスープを捨てた。「かなり苦しい決断でしたが、耐えるしかない」。大型連休中の補償は申請するが、賃貸料や光熱費ですぐ消えてしまう。「休業が続けば、どの店ももっと厳しくなる。(国や市は)生き残れる策を練ってほしい」と願った。
 同市中区肴町のたこ焼き店「縁だこ」は店内飲食をやめ、新たに購入したバイクでの配達を始めた。経営者の栗本悠佑さん(34)は「やれることを必死にやるしかない」と語り、政府に柔軟な支援対応を求めた。

臨時休業を続ける店舗=30日、浜松市中区で

 理美容業界は、県や市の補償対象に入っていない。中区で理容店を営む男性(47)は「食いつなぐにも営業するほかないが、誰も来ない日が続いている。自粛ムードが長引けばつぶれてしまう」と肩を落とした。
 一方、東区で生花店を営む女性(38)は「子どもたちの楽しみがどんどん奪われ、本当につらい。娘二人を家に残して仕事に出なければいけない状況が続くのか」と不安を漏らした。
 小学四年の次女は「テレビはコロナの事ばかり。外にも遊びに行けない」と落ち込むことがあるという。女性は「家で子どもだけで勉強して身につくのか疑問。学校が再開されるのが一番だが、安心して行ける環境なのか分からない」と複雑そうだった。

◆県、追加支援の姿勢示さず

 緊急事態宣言の延長について、川勝平太知事は三十日の定例会見で「新型コロナ対策で県の財政力を目いっぱい行使しているが、今のままでは持たない。政府の新たな財政措置を期待する」と述べた。
 緊急事態宣言に合わせ、休業要請の期間も延ばす可能性がある。川勝知事は「休業要請には見舞金(協力金)を出すのが原則だが(国の対応を)見守るしかない」と述べるにとどめた。
 浜松市は、休業要請に応じた単独店舗の事業者に五十万円、複数店舗を持つ事業者に百万円の協力金を支給するが、休業要請の期間を延長しても追加支給は難しいとしている。
 要請期間の延長について、担当者は「県の動向を見て対応を考えたい」と話す。
 別の市幹部は、周辺自治体が休業要請を延長して、浜松市が延長しなければ、人が移動してくる可能性を指摘し「他市町の状況も判断材料になる」と語った。
 湖西市は、五月六日まで宿泊施設などに休業を、飲食店には夜間の営業時間短縮を要請しているが、期間を延長するかは「検討中」。隣接する愛知県の動向も踏まえて判断する。
(新型コロナウイルス取材班)

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