強豪・東北福祉大に特待生として進学した湯原光、夢は松山英樹、金谷拓実を追って…いつか世界挑戦
2022年5月4日 07時00分
◇「羽ばたけ中部勢」
中部のアマチュアゴルファーに期待の星がいる。湯原光、18歳である。高校3年生だった昨年、湯原は中部アマのローアマ、そして中部のクラブチャンピオンが競う佐々部杯を制した。そして何より、この4月、あの強豪大学、東北福祉大になんと特待生として誘われ、進学したのだ。夢は先輩の松山英樹、金谷拓実を追って、いつか世界挑戦である。
◇ ◇
2日の午後4時すぎ、湯原は新幹線を乗り継いでJR仙台駅に着いた。前日まで国内男子ツアーの中日クラウンズで4ラウンド(R)を戦い、入学したばかりの東北福祉大にこの日戻ってきた。
クラウンズの結果は57位。だが、湯原はつぶやくように言った。「和合で4Rやれたことは、僕にとって貴重な経験になりました」
最終日、インからスタートした湯原はスタートからボギーを連発した。10、11、17、そして折り返してからも2、3、4番とボギーは続いた。「決勝になってグリーンのコンディションがびっくりするほど変わった。僕はついていけなかったが、プロはそこからスコアを伸ばすのだからすごいです」
2日目まで一緒に回ったのは地元の顔見知り、小木曽喬(25)=フロンティアの介護、金子駆大(19)で回りやすかった。だが、最終日は初めて出会った塚田陽亮(36)=ホクト、A・キュー(43、フィリピン)との3人。緊張は倍加した。それでも6、最終9番をバーディーで締めたのは、湯原の意地だった。
中部小学生を連覇し、一宮西成東部中3年の時は中部ジュニアの12―14歳の部に勝った。愛知・西陵高に進学してからも、中部アマなどで優勝争いをするようになったが、最後に体力負けしてきた。今でも身長177センチ、体重60キロとスラリとした少年のような体だが、昨年の中部オープンでようやくローアマに輝くと、佐々部杯も快勝した。
そんな湯原が、あの大学の強豪、東北福祉大から「大学に見学に来ないか」と誘われたのは2年生春の全国高校生大会の時だった。そして、青天のへきれきが起きる。3年生の夏、見学に行くとなんと「特待生扱い」での入学を打診されたのだ。東北福祉大の特待生は5人限定で、かかる費用は寮費と食費、合宿代だけという別格扱い。「もう、信じられなかった」というのは実感だ。
東北福祉大にはこの4月から通い始めた。「月、水、金は6時半に起きて軽い体操とランニングをしますが、日大のような全体練習はなく、基本的に個人で技術向上に高める方針だそうです。ですから、体づくりも自分で決めてやるしかありません」
午前中に授業を受けると、昼すぎからコースでハーフラウンドを15人の1年生で行うという毎日だ。「当面は体をしっかりつくり上げたい。試合としては5月の中部アマに照準を合わせています」と湯原。
細身の体だが、佐々部杯が終わった後は焼き肉丼を2杯ぺろりと平らげた。ショット力も相当で、確実にストレートに近いフェードボールで攻めるところは桂川有人(23)=国際スポーツ振興協会=に似ている。体力がつけば、プロでも戦える素材である。
▼湯原光(ゆはら・ひかる)2003年5月16日生まれ、愛知県一宮市出身の18歳。177センチ、60キロ。血液型B。親の影響でゴルフを始める。ドライバー平均飛距離は270ヤード。ベストスコアは65(ぎふ美濃)。目標は大谷翔平(エンゼルス)。
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