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EV電池にリン酸鉄系 スズキ、インド工場で生産へ

2022年5月3日 05時05分 (5月3日 05時05分更新)
 スズキは、インドで二〇二六年に稼働を予定する電気自動車(EV)向け車載電池工場で、「リン酸鉄系」のリチウムイオン電池を生産する方針を固めた。これまで主流だったコバルトやニッケルなどの希少金属を使った電池と比べ、リン酸鉄系はコストが抑えられる特長があり、スズキが同国で投入を目指すEVの低価格化につなげる。
 EVの車両価格を決めるコスト要因のうち、三分の一程度は車載電池が占めるとされる。中でも電池のプラス極に使われる「正極材」は、主要部材の中で最もコストが高い。リン酸鉄系をこの部材に使えば、鉄ベースのため資源不足の懸念が低く、ニッケルやコバルトなどの希少金属と比べてコストも下げられる。
 リン酸鉄系は近年、技術革新により課題だった航続距離も長くなっており、米大手テスラの量産モデルや中国メーカーの安価なEVなど世界で利用が拡大。希少金属のような調達の不安定さがないことから、西部グジャラート州で新設する電池工場で導入することにした。スズキ幹部は「ニッケルやコバルトはコストが高い。リン酸鉄系は世界で使われ始めており、十分採用できるレベルにきている」と話す。
 スズキは二五年から同州でEVの生産も計画。電池はまずは外部調達し、二六年から自社生産に切り替えて安定供給を図る方針。電池工場も含めた総投資額は千五百億円を見込む。
 スズキは日本でも二五年をめどに軽自動車のEV投入を目指しているが、資本提携するトヨタ自動車との協業も視野に、インドで生産する電池とは別の調達を今後検討するとみられる。 (鈴木啓紀)

 <リチウムイオン電池> 何度も充電して使える二次電池の一つ。液体中で動きやすい性質を持つリチウムイオンが、電解液で満たされた電池内のプラス極(正極)とマイナス極(負極)の間を行き来することで充放電を繰り返す。自動車のほか、携帯電話やパソコンのバッテリーなど幅広い用途で使われている。


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