コンビニで地場野菜販売 浜松の4店で実証実験
2022年5月2日 05時05分 (5月2日 05時07分更新)
浜松市内のコンビニで地場野菜を販売し、生産者と消費者をつなげようという実証実験を、牧之原市の青果流通業「やさいバス」とセブン−イレブン・ジャパンが進めている。地場野菜がコンビニで手軽に買えることに加え、交流サイト(SNS)機能を活用して生産者の思いを発信することで、地産地消を促す効果を期待している。販売は四店舗で、六日までの予定。 (山手涼馬)
実験は「ジモトつながるプロジェクト #1ジモト野菜でつながろう」と題し、浜松市、磐田市、袋井市の農業法人など十者が参加。生産者は、やさいバスの運送網を利用して物流のコストを抑えることができる。また、市場を通さないため販売価格の変動が無く、安定的な収益源になる可能性も秘めている。
浜松市東区の「森島農園」は、生で食べられるサラダ春菊とクレソンを出荷している。クセや独特のにおいが抑えられており、食べやすいのが特徴だという。
取締役の高林千晴さん(45)は、「コンビニしか利用しない単身者などに、新鮮な野菜が届くのは生産者としてもうれしい」とメリットを話す。パッケージには、インスタグラムの自社アカウントにつながるQRコードを記載し、おすすめのレシピを紹介している。「野菜に親しんでもらうきっかけになり、これから販売店舗がもっと増えていけば理想的」と期待した。
セブン−イレブン浜松駅東店(中区)では、売り場の一角にトマトやルッコラなど十一種類の商品を陳列。杉山一貴店長は「飲食店勤務の人が終業後の午前一時ごろに来店して、『この時間に野菜が置いてあってありがたい』と声を掛けてくれることもある」と手応えを語る。売れ筋商品は、スズキ・サポート(磐田市)のいちご「紅ほっぺ」だという。
商品の横には、フェイスブックのグループにアクセスできるQRコードを記載したボードなどを設置。生産者と消費者、双方向のコミュニケーションが取れる仕組みをつくっている。
小野等静岡・東東海ゾーン兼東海ゾーンマネジャーは「これまではコストなどの要因で、地元の野菜を扱うことは難しい面もあった。この取り組みを機会に、コンビニが、生産者と消費者をつなぐ場所として機能していければ」と展望を話した。
野菜を販売しているのは浜松駅東店、浜松佐浜町店(西区)、浜松高塚町店(南区)、浜松若林店(同)の四店。
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