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故・仁さんの執念継承…斉藤立が初の日本一「最後は気持ち」【柔道全日本選手権】

2022年4月29日 20時30分

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優勝しトロフィーを手に持つ斉藤立(代表撮影)

優勝しトロフィーを手に持つ斉藤立(代表撮影)

◇29日 柔道全日本選手権(日本武道館)
 斉藤立(たつる、20)=国士舘大=が初優勝を飾り、五輪王者の故・仁さんを父に持つ重量級のホープが、大きな一歩を踏み出した。
   ◇   ◇
 34年前の父と同じ日本の頂点に立った。「最後は気持ちでした。投げられても勝たないと思って、思い切っていきました」。わずか20歳1カ月の斉藤が15分に迫る激闘の末、世界王者・影浦に足車を決め、技あり。父の故・仁さんとの大会初となる親子2代での優勝を決めた。
 父・仁さんが2015年に亡くなった後、斉藤が目に焼き付けた映像がある。1988年の日本選手権。それまで3度、準優勝だった父が、念願の初優勝を飾るシーンだ。「本当に執念という言葉が表れている試合。こういう選手にならないといけないと思った」。
 そして、34年後の聖地・日本武道館。準決勝、決勝と延長戦に突入し、体力の限界に近づいても、最後の気力を振り絞った。「負けた時に自分の関係者や親族、いろんな人が悲しむ姿を見るのが嫌だった」。心は折れなかった。「おれは絶対に負けない。何が何でも勝って喜ばせるんだ」。父譲りの執念で、念願の優勝をつかみ取った。
 試合後、場内インタビューを終えると、すぐさま母・三恵子さん(57)、兄・一郎さんの元へと向かった。抱き合い、涙した母は「父も一緒に見ていたと思う。全日本のタイトルがほしいとすごく言っていた。こんなに早くていいのかな」と声を震わせた。
 ただ、ここがゴールではない。三恵子さんはこう言った。「次はエベレストを目指してほしいですね」。日本の頂点に立ち、次はもちろん世界。斉藤は満面の笑みを見せるわけでもなく、控えめによろこんだ。その理由は「オリンピックで優勝するからです」。父の思いを背負い、目指すのはパリ五輪での金メダルだ。

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