家族で描いた夢に出発 知的障害がある男性、5月に小牧で初の作品展
2022年4月28日 16時00分 (4月28日 16時00分更新)
重度の知的障害がある愛知県小牧市の奥山優(ゆう)さん(22)のアクリル画を集めた初めての作品展が、五月二十三〜二十九日に市内で開かれる。三年前に五十歳で亡くなった父敏行さんが病床で託した最後の願いを、母美紀世さん(53)が受け止めて実現。優さんは、夢だった画家への一歩を踏み出す。 (水谷元海)
「二億五千万当たったわーいわーい」。お気に入りの宝くじのCMのフレーズを口ずさみ、優さんが右手のペンを画用紙に走らせる。二分後にはつぶらな瞳のライオンが姿を現した。
優さんは一九九九年生まれ。二歳ごろから頭を床にぶつけるなどの行動が見られ、重度の知的障害と診断された。睡眠障害と自閉症もあり、会話はできない。じっとしていることができず、小学校で机の前に座っていられるように、と三歳から始めたのが絵だった。
最初は丸や三角も描けず、美紀世さんが手を添え手伝った。集中が続かない時は絵描き歌。毎日、二冊の落書き帳が埋まった。やがて優さんは手にたこができるほど熱中し、コンクールで入賞するまでに。小学校の卒業文集の将来の夢には「えかきさん」と記した。
ただ、美紀世さんには葛藤があったという。「仕事になると好...
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