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リニア着工 1年ぶり水資源専門部会

2022年4月27日 05時05分 (4月27日 05時07分更新)
リニア中央新幹線南アルプストンネル工事を巡り、リスク管理や監視体制について協議する県の水資源専門部会=県庁で

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事を巡り、リスク管理や監視体制について協議する県の水資源専門部会=県庁で

 リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事を巡り、県が二十六日に開いた水資源専門部会。約一年ぶりの開催で、JR東海は工事の影響の監視体制などを具体的に解説した。委員からはさらなる改善を求める意見が多く出され、今後の対話の進展につながる会合となった。JR東海と委員の主なやりとりは次の通り。 (中川紘希)
■工事影響の監視体制
JR 湧水量、河川流量、地下水位、水質、水温などの変化を工事前から工事後まで継続的にモニタリングする。
丸井敦尚・産業技術総合研究所研究員 地質や地下水を考慮したいい計画。ただ生物保護や景観などいろいろな観点からのモニタリングが考えられ、重要項目が何かについて県から指導を受けるべきだ。
難波喬司副知事 委員の指摘の通りだが、動植物への影響を確認するための河川流量の計測頻度を年二回としているのは不十分。モニタリングの方法と目的が適していない。
JR (県の指導を受けることについて)これからやりとりしたい。モニタリングでは、重要と考える場所ではカメラを付け常時監視することも考えている。
大石哲・神戸大都市安全研究センター教授 工事後のモニタリングはいつまでやるのか。基準を示しておくべきだ。
JR いつまでとはなかなか申し上げられないが、通常の水循環のサイクルに戻るまでというのが基本的なスタンス。ただ長期間での心配があるので(やめる基準は)客観的に説明できないといけないと思っている。
■リスク管理
JR トンネル工事で想定される水利用に関するリスクを抽出し、整理している。各リスクについて、平常時、影響発生の兆候があったとき、発生する可能性が出たときに分けて対応を検討している。
丸井研究員 平常時でなくなる基準は。またその判断は、いつどのように決めるのか。
JR 専門家が集まる場をつくり、そこで基準を設定しておき、現場がすぐに動けるようにしておくことを考えている。
■南アルプスルート決定の経緯
難波副知事 県の調べでは、JR東海の二〇〇八年の調査報告書や一一年の環境配慮書の段階で「南アルプス工事では大量湧水の恐れがある」と指摘されていた。ルート決定時の検討が不十分で、そのつけが回ってきている。
JR 過去の調査が不十分かどうかは検証していくことだが、今、ルートを変えるとか、立ち返るわけにはいかない。今はリスクや不確実性を認識した上で対策し、説明することに尽きる。

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