左翼→二塁の送球“ツーバン”は初めて見た…脚で大逆転の中日が試合前から決めていた「ウォーカーへの打球はGO」
2022年4月25日 10時14分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇24日 中日7―6巨人(バンテリンドームナゴヤ)
絶望の5点ビハインドから、歓喜の1点差勝利。2番手・山本から清水、祖父江、ロドリゲス、R・マルティネスと圧巻の6イニング完全救援でねじ伏せた。投手陣は無四球で切り抜け、攻撃陣は7四球をむしり取った。勝因はたくさんあるが、走塁の勝利でもある。
1回はビシエドの左前打で一走のA・マルティネスが三塁を奪った。3回の一挙5点は、アリエルの「レフト前二塁打」から始まった。京田の左中間三塁打に続き、4回は木下が再び「レフト前二塁打」で好機を広げ、石川昂の右犠飛で決勝点をもぎ取った。
記録上は両チーム無失策だが、僕の判定では4度も先の塁を奪っている。その全てのプレーにからんでいたのが左翼・ウォーカーだった。30年以上プロ野球を取材して「フリーパス」と呼ばれた外野手は何人も見てきたが、左翼から二塁への送球がツーバウンドするのは初めて見た。
「レフトへの打球はGO」。これは試合前からの決めごとだった。開幕シリーズでの左翼はウィーラー。今回はウォーカーの守備力をロックオンしていたが、第1戦は左前打が1本だけ。第2戦はまともにヒットを打てなかった。そして劣勢の第3戦。縦横無尽に走り、追いつき、逆転した。
「(3回の)京田の三塁打も普通なら二塁で止まるところ。選手たちが頭に入れてくれて、思い切って走ってくれました。それでアウトになったらこっちの責任。よく実行してくれました」
右腕を回し続けた大西三塁ベースコーチは、破顔した。見守った立浪監督もこう言った。
「アリエルが最初に思い切っていってくれたので。その後、なぜかレフトばかりボールが飛んで点が取れたんだけど、外野に飛ばないとそういう走塁も生まれない」
ウォーカーには2ランを浴びたが、それ以上のものをいただいた。ベンチが背を押し、選手が動く。これで日曜日は4戦全勝。逆転あり、完封あり、猛打あり。サンドラは何かを起こす。
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