空き家改装 弁当づくり施設 地域活性化へ住民一丸 多賀・大滝
2022年4月25日 05時05分 (4月25日 16時09分更新)
多賀町富之尾で23日、空き家を改装した弁当づくり施設がお披露目された。富之尾がある大滝地域は自然豊かな中山間地で、人口減少や少子高齢化が課題。高齢者の居場所づくりや魅力発信を目的に、地元の人らへの周知を図った。
同日設立したNPO法人「おおたき里づくりネットワーク」の代表で、今月、町地域おこし協力隊に就任した朝比奈遥さん(24)が中心となる。
二〇二〇年八月~二二年三月、地域の活性化策を考える「大滝里づくり魅力化プロジェクト」を設置。十四集落から一~二人の住民が集まり、出し合った案をこの施設にも反映した。朝比奈さんらと、地元の人が協力して活動を進める。
施設はもともと森林管理署で、デイサービスに利用された後、空き家に。施設を有効活用しようと、まずはキッチンの水道整備や床にシートを貼るなどの改修に取り掛かった。今後、高齢者の使いやすさを重視して畳をフローリングに替えるほか、外装も整える。
地域活性化への第一歩として、地元の大滝小学校の給食から着想した弁当づくりを始める。この日はプロジェクトのメンバーだった地域の人らが「ミニちらしずし」を作り、来訪者に無料で配布した。今後は月に一~二度、弁当を販売する予定。次は五月二十一日で、六月三日、十九日にも計画している。
弁当販売に続いて、本年度中に高齢者サロンとしての活用も目指す。来年度以降、カフェや農家レストランを始める構想もある。
朝比奈さんは静岡県出身で、学生時代に大滝地域が気に入り、現在はこの地域で暮らす。「自然が豊かで、季節で景色が変わるところが好き。大滝が好きな人が増えて、地域が元気になるように活動したい」と話す。
弁当の販売方法や時間などは、今後開設するNPOのホームページや交流サイト(SNS)で案内するという。(石曽根和花)
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