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マスク着用、臨機応変に 児童の熱中症対策 

2022年4月22日 05時05分 (4月22日 05時06分更新)
マスクを着用して園内を散策する親子連れ=21日、名古屋市北区の名城公園で

マスクを着用して園内を散策する親子連れ=21日、名古屋市北区の名城公園で

 新型コロナウイルス禍で三度目の暑い時期を迎える。中部地方は二十二日以降、平年より気温が高くなり、夏日も予想される。名古屋市の小学校は、感染予防のためマスクを着ける児童を熱中症から守るために気を配る。児童の親からは学校側に臨機応変な対応を望む声も上がり、マスク着用が必要な場面を改めて考えてと呼び掛ける専門家もいる。
 「暑くなるにつれて、熱中症とコロナ感染防止の二つの対策で、臨機応変な対応が必要だ」と、名古屋市内の小学校長が話した。
 市教委によると、市内の小学校では文部科学省のマニュアルなどに基づき、原則として児童にマスクを着用させる一方、熱中症の恐れがある時や体育の際には外すことも可能だ。ただ、その体育の授業でも外さない子もいる。学校によっては、休憩や水分補給の時間を多めに確保したり、体を冷やす冷感タオルを活用したりするなどの対策をとる。
 コミュニケーションの面などで子どもの成長に悪影響があるとして、マスク着用に反対する保護者や市民団体もあり、マスクを巡って感染対策の徹底と反対論の板挟みになっている学校現場もある。今回は、児童のプライバシーの問題などを理由に多くの学校が取材に応じなかった。
 一方で、「マスクをすると熱中症が不安だが、外せば感染が不安。どう折り合いを付けるか…」と悩むのは、岐阜市玉宮町で鮮魚店「魚(うお)ぎ」を営む内藤彰俊さん(41)。小学四年の長女と保育園児の長男がいる。
 二人はコロナ禍の生活に慣れ、普段は率先して手指の消毒やマスク着用をする。ただ、暑い時期には外出先でマスクを外してしまうこともあった。体育の授業などで体を動かす際には熱中症の危険性があり、「状況によってはマスクを外しても良いかも」と話す。完全にマスクなしで生活するには「コロナは風邪と同じだという意識に変わらないと無理」と感じる。
 小学一年の長男を持つ津市の川原田直子さん(40)も、暑い時期のマスク着用ではやはり熱中症が心配。長男からは、肌のかぶれやマスクが汗でぬれる不快感への不満を聞く。
 ただ、学校での着用については「他の人に迷惑を掛けてしまうかもしれないので必要だと思う」。長男には小まめに水分補給をするように伝えている。
 小学五年の長男と四年の長女を持つ三重県松阪市の溝口由佳梨さん(38)は、暑い時期には不織布ではなく、通気性の高い布製マスクを着用させてきた。学校での着用については「感染リスクが高くない場面では外しても良いと思う。臨機応変に対応してもらえたら」と話した。

感染落ち着けば 外す機会検討も

 マスク着用を巡っては、世界保健機関(WHO)は、コロナ感染が広がる地域などの屋内では換気が悪かったり、他人と一メートル以上の距離が保てなかったりする場合などに着用を推奨。屋外では一メートル以上の距離を取れない際に勧めている。
 一方、日本では、厚生労働省は屋内外で原則マスク着用を勧めるが、夏場は熱中症予防のために、屋外の場合は他人と二メートル以上の距離があれば外してもいいと説明。保育所では二歳未満には着用を推奨していない。学校現場については文部科学省が、「十分な距離」が取れない場合は着用する必要があることを指針で明示。体育の授業、運動部活動などは必要ないとする。
 コロナ対策を厚労省に助言する専門家組織の脇田隆字座長は、マスク着用は感染予防効果がある一方、熱中症や肌荒れ、コミュニケーション能力の低減といった「副作用」があると指摘。「どの場面で着用する必要がないのか、考えていく必要がある」と話した。
 愛知医科大の森島恒雄客員教授(感染症)は「マスクが一番、感染を防御できる」とし、日本での着用率の高さが感染者数を低く抑えた要因と強調する。その上で、暑い時期に外す利点には呼吸がしやすい点や、子どもがぐったりしている時に大人が気づきやすいことを挙げる。
 海外では、フランスで公共交通機関などを除いて着用義務がなくなり、英国でも義務が解除。そうした状況を踏まえ、森島客員教授は「日本でも感染が落ち着いてきた場合は、少しずつマスクを外す機会を地域ごとに増やすことを柔軟に考えてもいいのでは」と語った。 (福本英司)
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