隠元の没後350年に 黄檗宗の書や書画 観峰館で企画展 東近江地域の寺院の収蔵品展示
2022年4月21日 05時05分 (4月21日 05時05分更新)
宗祖の隠元隆(一五九二~一六七三年)ら黄檗宗の僧侶が残した書や書画、その影響が見られる東近江地域の寺院の収蔵品を集めた企画展「隠元隆350年遠諱 黄檗インパクト」(中日新聞社後援)が、東近江市五個荘竜田町の書道博物館「観峰館」で開かれている。六月十二日まで。
隠元は一六五四年に清から来日。万福寺(京都府宇治市)を開き、木魚やインゲン豆などを持ち込んだ人物としても知られる。県内では、室町時代後期の戦乱で荒廃した寺院の再興で、黄檗宗の僧侶が数多く関与したとされる。
企画展は、隠元の没後三百五十年の節目に合わせ、同館が開いた。黄檗宗で、東近江市の正瑞寺や小松寺、日野町の正明寺などの所蔵品を中心に五十点を展示。隠元らの肖像画「頂相」には、顔が正面を向き、陰影のある目やほほの描き方に共通点が見られる。
隠元の書は、八十歳の時の二点が並び、勢いのある軽やかな筆遣いが目を引く。そのうちの一点「瑞気映南山」は、臨済宗の永源寺が所蔵する重要文化財。もう一点は、万福寺で自らの八十歳を祝う際に書かれた作品で、同じ年に宗派や地域を越えた交流があったことが読み取れる。
同館の担当者は「隠元は仏教界だけでなく、...
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