本文へ移動

佐々木朗希、連続パーフェクト目前の降板に元メジャー記者も狼狽「ショック、混乱して、悲しい気持ちになった」【竹下陽二コラム】

2022年4月19日 10時59分

このエントリーをはてなブックマークに追加
8回を投げ終え、ベンチへ戻るロッテ・佐々木朗希=17日

8回を投げ終え、ベンチへ戻るロッテ・佐々木朗希=17日

 モヤモヤが晴れない。原因は、先日、ロッテの佐々木朗希が2試合連続のパーフェクトゲームまであと3人と迫ったところで降板させられたアレである。
 疲労を考慮したとか、先々のことを考えたロッテ・井口監督の深謀遠慮も理解できる。ネット上でも「井口監督の英断」という意見も多く見られる。未来のメジャーリーガー・佐々木朗をみんな育てている、という人もいた。素晴らしい。なるほどである。
 そう理解しながら、心の奥底で納得しない自分がいる。気のせいか、おおむね、大人な意見が支配し、反対意見も言えない空気すら感じるが、私は正直、しらけた。腹も立った。今まさに、絶頂に達しようとしているときに、はしごを外された気分である。悲しい。結果的に延長戦に突入したが、9回を投げきった後の交代なら、諦めもついた。
 かつて、王さんが、ハンク・アーロンの本塁打記録を破った時、どんなに誇らしかったか。2連続パーフェクトを成し遂げた佐々木のことも誇りたかった。メジャーに行ってからの佐々木朗ではなく、日本の佐々木朗を世界に誇りたかった。
 私は昭和のスポ根ドラマに毒された人間なのかもしれない。スポーツの醍醐味(だいごみ)は、トライすることであり、チャレンジすることであり、その瞬間に燃焼し尽くすことではないか。だから、人の心を引きつける。運命論者なわけではないが、あそこは、あり得ないことにトライする運命だったのではないかとすら思う。結果はどうでもいい。
 やり場のないむなしさをどうしようもなく、米ニューヨークに住む、元ドジャース、ヤンキース担当記者で、現在作家活動をするラリー・ロッカさんにSNSで連絡を取っってみた。
 ―朗希の話を知ってるよね。どう思う?
 「えーっと。驚いている。驚いてはいるが、それにつきましては、詳しい状況、内情も分からないので、コメントしかねます」
 ―なんなんだよ? 政治家みたいだな。一ファンとしてどうよ? ひと言で言うと、将来を見据えて、大事を取ったということのようだけど
 「ハハハ。分かったよ。最初、知ったとき、ショックで混乱して、悲しい気持ちになったよ。2度とないかもしれない絶好の機会がここにある。交代させるどんな理由があろうとも、続投だよ。MLBの悪影響もあるんじゃないのかな。先日、カーショーが7回まで完全試合してて交代させられた。カーショーは年だし、故障がち。ササキは、若いからねえ」
 ―めったにないチャンスがあるなら、ゴーでしょ?トライさせないなんて、愚かとすら思うけど
 「愚かだ。でも、けがのリスクを犯すのも愚かだ。でも、どうなんだろう。最後の10球とか20球でけがするリスクはあるんだろうか。そのエビデンスはあるんだろうか? 次の登板まで間隔を空ける選択肢もあったはず。あの状況では、メジャーの監督だって、続投させたと思う。バックツーバック(2連続)だから。イグチさんは、メジャーで良いことも吸収したはずだけど、投球数に取りつかれすぎなんじゃないか。日本野球のために悲しいし、(ろうばい)している。サムライスピリッツを見たかったよ」
 サムライスピリッツはとってつけたような感じもするが、ロッカさんも私と同意見のようだった。最後にロッカさんに「まだ、その時じゃないという人もいるけど、あの時もその時だったと思う。アディオス、百万年に1度のビッグチャンスよ」とちょっと大げさに書いて送ると、♡マークが返ってきた。もう、過去は戻らない。空気を読まずに、井口監督の英断だったと心底、思える日が来ることを祈るしかない。
おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ