国内処分行き詰まり 原発放射性廃棄物、輸出へ道
2022年4月17日 05時00分 (4月17日 05時00分更新)
日本では二〇二〇年代半ばから原発の廃炉作業が本格化し、放射性廃棄物が増える。だが地中に埋める処分場所選定など課題は多い。国が輸出規制を見直し、放射性廃棄物となる大型機器の輸出に道を開くのは、国内での処分が難しい状況を受けた措置だ。だが「他国への押し付け」「国内の処理技術を向上させて利用すべきだ」など、安易な解決法だとの批判が上がる。
▽例外扱い
「有用資源として安全に再利用される要件を満たす場合にのみ、例外的に輸出を可能とする」。梶山弘志前経済産業相は昨年八月の記者会見で、放射性廃棄物の輸出を禁止している外為法の通達の運用を見直す方向性を表明した。その後改定されたエネルギー基本計画にも盛り込まれた。
国内には大型機器を処理する専用施設がないため、原子力業界は海外処理できるように求めていた。経産省関係者は「安全で使えるものをリサイクルするのは当然だ」と強調するが、エネルギー基本計画のパブリックコメント(意見公募)では、反対意見が大多数を占めた。
▽敷地圧迫
国内では二十四基の商業原発の廃炉が決まった。放射性廃棄物は、放射能レベルに応じ、地中に埋める処分が想定されているが、処分場所はほとんど...
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