静岡クラシック音楽振興会 聴衆目線で演奏20年

2018年10月4日 02時00分 (5月27日 05時31分更新)

お年寄りたちの前で演奏する振興会のメンバー=静岡市駿河区の静岡広野病院で

 「星影のワルツ」に「釜山港へ帰れ」。懐かしい曲に、静岡広野病院(静岡市駿河区)の聴衆たちは思わず拍手を送っていた。
 「静岡を東京に負けない文化都市に」と、代表の稲木良光さん(44)は語る。プロの音楽を聴くことが特別なことではなく、日常的となるように活動を続け、今年で二十年。県内出身のプロ音楽家二十一人で活動する。
 オーケストラやクラシック音楽にあまりなじみのない未就学児から高校生までを対象に演奏を披露したり、病院などの施設に出向いて公演したりしている。
 活動初年は一年に四件だけだった公演は二年目に九件、三年目に十九件と着実に数字を伸ばした。今では一年に百四十件以上、通算では三千八百件を超えた。
 人気の背景にあるのは、常に聴衆目線を忘れない点だ。聴衆は老若男女多岐にわたり、それぞれ好みも違う。演奏中の相手の反応によって、予定していた曲目を変更することも。演歌からジブリ、ディズニーまで、持ち曲の多さを売りにする。公演中に曲の解説や雑談を交え、聴衆を飽きさせない。
 地道な営業努力も欠かさない。公演開催を決めてからは何百、何千軒と会員で住宅を訪問し、来場を呼び掛ける。企業にも代表自ら電話をかけ、スポンサーになってもらうよう交渉する。
 東日本大震災後の福島県の幼稚園や、ロシアなど国外でも演奏してきた。ただ活動の軸は静岡の音楽文化向上。稲木さんは「まだ訪れたことのない保育園や学校がある。全て回りたい」と話す。
(谷口武)

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