玉川きこり社(静岡市葵区) 山村文化伝えたい

2018年10月18日 02時00分 (5月27日 05時31分更新)

玉川地域の活性化に向けて原田さやかさん(左)らが設立した玉川きこり社=静岡市葵区桂山で

 ヒノキやスギなどの豊かな自然が残る静岡市葵区北部の中山間地・玉川。この地域に魅了された移住者たちが二〇一四年、人口が減りつつある地域の文化を残すために「玉川きこり社」を設立した。発起人の一人で副社長の原田さやかさん(39)は「山奥の美しい暮らしを、将来を担う子どもたちに伝えたい」と話す。
 県内から、この地域や周辺に移住した社員六人が在籍する。玉川の産業だった林業がメインで、地元住民の指導を受けた社員らが木材の伐採や輸送、販売などを担う。木のおもちゃ販売や木に関する展示会パンフレットのデザインのほか、きこりの魅力を伝える教室も定期的に開く。
 きっかけは二〇〇八年六月。市内の出版社に就職した原田さんは、地域誌の取材で独居の七十代女性と出会った。ゆったりと時間が流れる玉川の奥地で、手作りの料理やお茶を振る舞ってもらった。自然と共生するような暮らしぶりにも感銘を受け、「人に必要なこの地域の文化を残さないと」と思った。
 取材で知り合った仲間十人とすぐに「安倍奥の会」を発足。玉川の魅力を伝える催しや新聞作りに力を入れてきた。
 人口減少にも歯止めをかけようと、主産業だった林業の復興に注目。一四年三月末に、同僚だった繁田浩嗣さん(33)と一緒に出版社を退職して、玉川きこり社を立ち上げた。
 発足当初は赤字だったが、五年目の今年は地元住民が信頼して仕事を任せてくれるようになったことから、数百万円の黒字化を見込めるまでに成長した。原田さんは「今後は林業だけでなく、山村文化を伝えるような取り組みもやっていきたい」と話した。 
(広田和也)

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