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国境を越えた大人気シリーズ「花嫁のれん」に出演した羽田美智子「命を懸けてやったという自負があった」【企画・NAGOYA発】

2022年4月12日 11時50分

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「花嫁のれん」の一コマ。羽田美智子(左)と野際陽子(東海テレビ提供)

「花嫁のれん」の一コマ。羽田美智子(左)と野際陽子(東海テレビ提供)

◇NAGOYA発第5回「東海テレビ・昼ドラ」その4
 東海テレビの昼ドラは俳優の間でもスケジュールが超タイトで有名だった。2010年から4シリーズが制作され、この年代の代表作となった「花嫁のれん」で主人公を務めた俳優の羽田美智子さん(53)に、撮影時のエピソードなどを聞いた。ドラマは金沢市の老舗旅館が舞台で、壮絶かつほほえましい“嫁姑(しゅうとめ)バトル”が話題となり、海外でも放送された。(構成・佐藤芳雄)
  ◇  ◇  ◇
―東海テレビの昼ドラは花嫁のれんが初出演。それまでに抱いていた昼ドラのイメージは?
羽田「子供のころは熱を出して学校を休んだりすると見られる番組でした。高木美保さんとかがドロドロしたものをやられていて、セリフが学校ではやって、すごく面白いって思っていました。この業界に入ると、スケジュールが大変な現場とうわさで聞いていました」
―出演のオファーがあった際は?
「3冊ぐらいできている台本をいただき、同時に(姑役の)野際陽子さんが電話で『旅館を舞台に嫁姑ものをやりたいけど相手は誰がいいかと言われて、私も昼ドラ初めてで肉体的に大変と聞いているから、自分が気楽になれる人がいいなと、みっちゃんの名前出したんだけど』って」
―台本を読んだ感想は?
「夫に失踪癖があったり、本当に変な話で面白くてゲラゲラ笑っちゃって。当時の自分と重ね合わせ、信じたキャリアを進んでいた(嫁役の)奈緒子が、夫の故郷で社会の波にのまれながら自分を磨くサクセスストーリーが痛快で。野際さんに『助け合ってやりませんか』って。でも、あんなに厳しいスケジュールとは思わなくて」
―NHKの連続テレビ小説や大河ドラマ、民放の連ドラ、2時間ドラマなどさまざまな現場を経験されているが
「昼ドラもタイトなスケジュールの中でリハーサル日をきっちり設けていました。1日で100シーンのリハーサルをやって、普通なら2週間かける分量を3日で撮ることも。セリフが3ページあるシーンでも5分から10分しか時間を取ってない。セリフをちゃんと頭に入れて芝居を固めないと皆に迷惑をかけてしまうプレッシャーとのせめぎ合いが大変でした」
―ダブル主演の野際さんとのエピソードは?
「全てさらけ出されてしまう環境で、野際陽子さんという人を間近で学べたことが収穫でした。第2シリーズの途中で野際さんが体調を崩された。無敵だった野際さんが年相応の病気にかかられた。ドラマの中で大おかみを守らなきゃと演じる野際さんを、奈緒子演じる私が守らなきゃと強い絆が生まれた。ドラマを通じて、野際さんが私の前で本当に心を裸にしてくれた。仲間、同士だなって思った瞬間でした」
―結果的に4シリーズに及ぶ大作に
「こんなに長く愛していただき、気が付けば代表作に。本当にありがたいことです。これに命を懸けてやったという自負があって、撮影の4カ月はプライベートが本当にゼロ。撮影がない日もセリフを頭に入れることに全ての時間を使って…。途中からは奈緒子なのか羽田美智子なのか、役と自分がオーバーラップして、お芝居に関してもいい学びがありました」
―番組は20を超える国と地域で放送され、「おもてなしの心」を世界に発信した
「人が人を思う気持ちは国境を越えるし、気持ちのいいものですね。3年前、花嫁のれんが放送されたミャンマーへ行った時に、現地の方に『見て分かりましたか』って聞いたら、嫁姑問題は世界共通ですって言われました。そこに着物を着る日本独特の文化が入ったことで、世界の人が見ても面白かったんでしょうね。人を笑顔にしようとするおもてなしの心が通じたのだと思います」
―羽田さんは昼ドラを引き継いだ「オトナの土ドラ」でも『隕石家族』(20年)、『コールドゲーム』(21年)に出演された
「土ドラって(『最高のオバハン・中島ハルコ』の)大地真央さんのように女優さんが他ではやらない役ができる唯一の枠。ぶっ飛んでて、オリジナルな感じがします。『隕石家族』の松崎智宏プロデューサーは、花嫁のれんの時は入社間もないころで『独り立ちしたら私を起用してね』と冗談で言ったら、本当に起用してくれました。2作とも脚本が花嫁のれんの小松江里子先生で、“小松節”が体になじんでいたから世界観に入りやすかったと思います」
―ユニークな作品を58年間生み出し続けた東海テレビのドラマは日本のテレビ史でも独特な存在
「東海テレビさん、面白いですよ。面白いアクションを起こそうとできる限りの力を振り絞ってやっているスタンスがすごく好きです。タイトルもキャスティングも面白いし、撮影スタンスも独特。その個性的な世界に自分が身を置かせてもらい、自分の幅を広げてもらったことはありがたかったです。また、立ち会いたいなと思っています」
  ◇  ◇  ◇
◇羽田美智子(はだ・みちこ) 1968年9月24日生まれ、茨城県出身。短大在学中に芸能界デビュー。94年の映画「RAMPO」のヒロインとして日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞、その後も「女王の教室」「サラリーマン金太郎」「特捜9」「ひよっこ」などの話題作に出演。2010年から15年まで昼ドラ「花嫁のれん」で主演を務めた。

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