中村與資平 世界の建築様式 研究して設計

2019年6月21日 02時00分 (9月11日 14時12分更新)
 中村與資平は、1880(明治13)年、今の浜松市東区天王町に生まれました。
 與資平は、地元の下堀尋常小学校(今の与進小)を卒業した後、歩いて2時間かけて浜松高等小学校(今の浜松中部学園)に通いました。あまりにも遠いため、遅刻したりずる休みしたりすることが多かったようです。そのため成績は振るわず、とうとう落第してしまいました。

静岡銀行浜松営業部=浜松市中区で

 そんな與資平が、ある日、日曜日の勉強の計画を書いた友達のメモを拾いました。
 「まるで学校の時間割みたい。休みの日まで勉強するなんて考えたこともなかった。勉強はこうしてやれば良いのか。ぼくもまねしてみよう」と思った與資平はさっそく自分でも取り組むことにしました。
 勉強のこつが分かると楽しさも増し、実力をぐんぐん伸ばすことができました。浜松第一中学校(今の浜松北高校)を卒業するころにはクラスでトップになりました。

木下恵介記念館=浜松市中区で

 東京帝国大学(今の東京大学)建築学科を卒業後、東京駅の設計で有名な辰野金吾の設計事務所に勤めました。最初の仕事で韓国に渡った與資平は、1912(大正元)年、自分の事務所を開き、韓国や中国で数多くの建物を設計しました。21年から1年以上かけて17カ国90以上の都市を視察旅行して建築を研究しました。
 その後、世界各地のさまざまな時代の様式を取り入れ、銀行や公共建築など数々の素晴らしい建物を設計しました。
 静岡県内にも残っています。静岡市には、スペイン風のドーム(丸い屋根)が特徴の静岡市役所本館や、静岡県庁本館があります。浜松市には、外壁が花こう岩張りで、正面に4本の円柱が3階までのびるギリシャ神殿風の旧遠州銀行本店(今の静岡銀行浜松営業部)、旧浜松銀行協会(今の木下恵介記念館)があり、どちらも浜松市指定有形文化財です。
<もっと知りたい人へ>
参考文献:『歴史に残る名建築家中村與資平物語』浜松市東区
浜松市に残るゆかりの建築物:静岡銀行浜松営業部…中区田町322-7、木下恵介記念館(旧浜松銀行協会)…中区栄町3-1

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