カッパのくれた目薬 川で馬にいたずら 村人お仕置き

2020年5月15日 02時00分 (7月20日 14時35分更新)
佐久間ダムを訪れたゆるキャラ「さくまる」=浜松市天竜区で(天竜区観光協会佐久間支部提供)

佐久間ダムを訪れたゆるキャラ「さくまる」=浜松市天竜区で(天竜区観光協会佐久間支部提供)

  • 佐久間ダムを訪れたゆるキャラ「さくまる」=浜松市天竜区で(天竜区観光協会佐久間支部提供)

◆もう悪さしない おわびに製法伝授

 昔、昔の話です。
 浦川(今の浜松市天竜区佐久間町浦川)に、見龍という医者が住んでいました。家に「あお」という名前のとても力の強い馬を飼っていました。病人の診察で、見龍はあおにまたがり、下男の源一が手綱を引いて行きました。
 ある夏の日のことです。源一は、一日中働いて汗びっしょりになったあおを川に連れて行き、体を冷やしてやりました。すると、どうしたことでしょう。普段はおとなしいあおが急に暴れだしました。あおは源一を振り切ると、突然駆けだしました。源一は、どうしたものかと思いながら家に戻ると、あおは何事もなかったかのように庭に立っていました。
 源一は、ほっと一息つきながら、あおの毛並みを整えてやると、しっぽが不自然に揺れだしました。
 「カッ、カッパがしがみついている。あおを川に引き込もうとしたのか」
 これでは、あおが暴れたのも当然です。源一は、カッパを木に縄でしばりつけました。
 「頭の皿の水がこぼれている。さすがのカッパも力が出なかったはずだ」
 カッパを捕まえたことを聞きつけた村人が一目見ようと集まってきました。
 「川でおぼれかかったのは、こいつのせいか」
 「川の周りのいたずらも、カッパがやったに違いない」
 村人は、次々に文句を言い始めました。村人が増えると苦情の数も増えました。
 カッパは、涙を流しながら許しを請いました。
 「こんなに迷惑をかけているとは思いませんでした。もう、絶対に悪いことはしません。許してくだされば、お礼に秘伝の目薬の作り方をお教えします」
 縄をほどかれたカッパは、みんなに頭を下げながら川に戻っていきました。
 次の日の朝、源一が玄関の戸を開けると、目薬の作り方が書かれた里芋の葉が置いてありました。見龍は、さっそく目薬を作り、目の悪い人に与えました。   
 カッパが教えてくれた目薬は、「カッパの目薬」として、大正時代の初めの頃まで、多くの人に使われていたそうです。
 天竜区観光協会佐久間支部のゆるキャラ「さくまる」は、昔話「カッパのくれた目薬」に登場するカッパに由来します。
<もっと知りたい人へ>
参考資料:「(CD)歴史と民話の郷 さくま」佐久間町

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