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NIE 教育に新聞を 外国籍児童向け 愛知で講座

2022年3月3日 05時00分 (4月5日 14時03分更新)

日本語をゲーム感覚で 新聞通して社会ともつながり

 新聞を教育に生かす「NIE」を通じて日本の社会に親しんでもらおうと、外国籍の児童を対象とした講座が愛知県の各地で開かれている。講師は、中日新聞NIEコーディネーターの岩井伸江さん(64)ら。言葉探しを競い合うなど、ゲームの要素も取り入れ、楽しんで学べるように工夫する。教員らは「日本語に苦手意識がある児童でも、興味を持って取り組めた」と手応えを感じていた。(酒井ゆり)

碧南

小中学生向けの新聞「中日こどもウイークリー」を使って、カタカナの言葉を探す取り組みも=愛知県碧南市の鷲塚児童クラブで

 碧南市の鷲塚小学校内にある「鷲塚児童クラブ」の一室。同小に通うブラジルやペルーにルーツを持つ児童八人が集まり、小中学生向けの新聞「中日こどもウイークリー」を使って、紙面からカタカナを探す課題に取り組んでいた。「あ、ミツバチがあった」「アリもみつけた!」と、元気な声が響いた。
 碧南市教育委員会は二〇一六年度から、来日した児童が学級に早くなじめるよう、初歩的な日本語や学校のルールを学ぶための日本語初期指導教室「いっぽ教室」を始めた。運営は、外国人児童の学習支援を手掛けるNPO法人「プラス・エデュケート」(同県豊明市)に委託。学期ごとに、市内の小学校を二校ずつ巡回し、児童一人当たり二百四十時間の指導にあたっている。
 鷲塚小の国際教室担当の重原明美教諭(53)は「『いっぽ』では、初歩的な日本語もだが、掃除など日本の学校特有の決まり事なども学んでくるので、学級にもすんなりなじめる子が増えた」と話す。
 新聞を使った講座は二〇年十二月に開始。同法人の小林有加さん(45)は「日本語の文字を読むのが嫌いな子が多い。でも新聞だと、写真もあるから引きつけられて集中して取り組める」と、効果を実感していた。

安城

切り抜き作品作りに取り組む児童たち=同県安城市祥南小で

 安城市祥南小学校の「国際学級」では一八年度から、新聞記事を切り抜いて作品にする授業を続けている。
 作品は、決めたテーマに沿って記事を集め、見栄えよく貼り付けて仕上げる。国際学級担当の斎藤綾子教諭(42)は「新聞を通じて社会とつながり、日本語も習得できる」と、授業に取り入れた。
 今年は四〜六年生十人が約三カ月かけて挑戦。五つのグループに分かれて、「乗り物」「動物の赤ちゃん」などのテーマで記事を集め、分かったことや感想を書いて丁寧に作品を仕上げた。昨年末には発表会もあり、児童たちは工夫したポイントなどを披露した。
 「安城じまん みてみてね」と題して作品にまとめた六年のトラビザン・アユミさんらは「イチジクやナシなどのフルーツや、野菜もたくさん作られていると知り、わくわくした。仲間と記事を探す活動は楽しかった」と笑顔で話した。

知立

紙面の中から都道府県を探す児童たち=同県知立市の昭和児童センターで(一部画像処理)

 知立市知立東小学校の児童が利用する昭和児童センター内の「放課後児童クラブ」でも昨年五月から、新聞を使った講座を随時開いている。
 この児童クラブに所属する約五十人のうち、七割がブラジルやベトナムなどの外国籍。新聞を使って日本や日本語に親しんでもらう機会を増やそうと、愛知教育大(刈谷市)と中日新聞社が企画した。
 昨秋開かれた講座には、九人が参加。新聞記事の中から日本の都道府県を探したり、記事を基にクイズを作ったりして楽しんだ。同センター職員の藤井沙耶加さん(37)は「最初は難しいかと思っていたが、子どもたちは発想力を刺激され、楽しんでいる」と話した。
(3月3日付 中日新聞朝刊教育2面より)

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