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5〜11歳、悩むワクチン接種 開始1カ月で1回目6・3%

2022年4月3日 05時00分 (4月3日 10時59分更新)
新型コロナワクチンの接種を受ける児童=2日、名古屋市西区のやまかわこどもクリニックで

新型コロナワクチンの接種を受ける児童=2日、名古屋市西区のやまかわこどもクリニックで

  • 新型コロナワクチンの接種を受ける児童=2日、名古屋市西区のやまかわこどもクリニックで
 五〜十一歳を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まって約一カ月。一回目接種率は三月末時点で、全国で6・3%となっている。今回の流行「第六波」では、学校などで感染した子どもからの家庭内感染が目立つ一方、重症化率は高齢者ほど高くない。打つべきか、保護者らは悩みながら向き合っている。
 「一、二の三、はい。大丈夫だった?」。二日朝、名古屋市西区の「やまかわこどもクリニック」。近くに住む小学四年の峯陸人(みねりくと)君(9つ)にワクチンを打った院長の山川聡さん(44)が優しく声をかけた。峯君は「痛くない」と笑顔を見せた。
 母の景子さん(43)は、打たせるかどうかで悩んだ。「子どもは重症化しないことが多いと聞くし、副反応で熱が出た時も心配」。その一方で、近所に住む祖父母や受験を控える高校三年の長男らに感染させるリスクも考えた。今回が二回目の接種だ。
 牧野純子さん(52)は小学六年の次女、美希さん(11)と来院。将来、影響が出ないか心配もあったが、「学校で感染した人もいてコロナは人ごとじゃない。本人と話し合って決めた」と言う。
 子どもに接種させていない保護者も多い。市内の主婦(39)は「自分の副反応がしんどかったので、かわいそうだと思って。周りでも接種したという話は聞かなかった」と話した。
 院長の山川さんは、十人以上の保護者から「子どもに接種させた方がいいですか」と相談を受けた。重症化や発症の予防効果は期待できるとしつつ、副反応も丁寧に説明。だが、データがまだ十分でなく、「迷っている人には打たないのも選択肢だと伝えている」と、説明の仕方に悩むと打ち明ける。
 三月二十九日までの一週間で、全国の新規感染者のうち十歳未満は最多の18・3%、十代は二番目の17・7%を占める。山川さんによると、第六波の患者約二百人のうち八割が家庭内感染で、ほとんどが子どもからとみられるという。
 一方で、厚生労働省によると、感染者の重症化率は、十歳未満が三十代の半分、十代が五分の一。五十代以上の十〜七十八倍と比べても低い。
 感染症が専門の愛知医科大・森島恒雄客員教授は「基礎疾患がある子や重い病気の子、家族に高齢者がいる場合は打った方がいい」としつつ、周りが接種を求めるような「集団の圧力になってはいけない」と、各自で判断するのが大切だと指摘。感染対策として「不織布マスクをして手洗い、換気を」と重ねて強調する。

名古屋低調4% 「保護者が慎重に」

 中部地方の五〜十一歳の一回目接種率は、三月末時点で愛知県が5・5%、岐阜県は8・9%、三重県5・8%、長野県4・4%、滋賀県は二十七日時点で3・6%。福井県は公表していない。
 愛知県の担当者は「不安があって様子を見ている家庭が多いのでは」と説明。名古屋市では4%と県全体より低く、担当者は「保護者には慎重に判断していただいている」とする一方で、春休みのこの一週間は増えたという。
 全国より高い岐阜県は接種体制が整っている結果だと説明。三重県は多いか少ないかはまだ判断できないとしている。
 厚生労働省は、十二歳以上に求めている「接種を受けるよう努めなければならない」との努力義務を、五〜十一歳には適用していない。理由について、この年代はオミクロン株への効果が十分確認されていない点などを挙げる。自治体も「家庭内で十分話し合ってほしい」(長野県)、「分かりやすく情報提供をしたい」(滋賀県)との姿勢だ。
 (福本英司)
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