近江・山田「エースとしてマウンドを譲る気はなかった」 痛みに耐え延長11回完投勝利【センバツ】
2022年3月30日 18時32分
◇30日 センバツ高校野球 準決勝 浦和学院2―5近江(延長11回サヨナラ、甲子園)
脚を引きずりながらも最後までマウンドを守り切った。近江(滋賀)の背番号1を背負う山田陽翔投手(3年)は延長11回を1人で投げ抜き4試合連続完投勝利。死球を受けながらも170球を投げ込み「痛みがなかったと言えばうそになる。ただ、エースとしてマウンドを譲る気はなかった」と言い切った。
アクシデントが襲ったのは1点を追う5回の打席。2死一、二塁で相手左腕の直球が左脚のかかとを直撃。その場で倒れ込んだ。抱えられながらベンチに戻ると患部は変色していた。多賀章仁監督(62)から「大丈夫か?」と聞かれると「行かせてください」と即答。6回もマウンドに上がった。
歩けば痛みもあったが「全球が勝負球」。一球一球に魂を込めた。8回にはこの日最速となる145キロを計測。魂の投球に野手が応えた。7回に同点に追い付くと、延長11回に捕手・大橋の3ランでサヨナラ勝ちした。
恩返しの決勝進出となった。山田の父・斉(ひとし)さん(46)は愛知・東邦高出身で2年夏に正捕手として甲子園で4強入りした。高校進学時には東邦からも当然誘いはあったが「生まれ育った滋賀で日本一を取りたい」と近江へ。斉さんは「もちろん僕も『東邦はいいぞ』と誘ったんですよ。でも最後は本人の意思を尊重しました」と苦笑いを浮かべた。
山田は「父の母校でというのが一番良かったかもしれない。でも父を超えることが自分ができる最大の恩返し。学校は違えど、父を超すことができたのはよかったです」と自分に言い聞かせるように言葉に力を込めた。
滋賀県勢は春夏通じて甲子園優勝がまだない。「日本一まであと1勝。チーム一丸となって戦っていきたい」。球数制限のため決勝で投げられるのは116球。相手は昨夏の甲子園で破ったとは言え高校球界の“横綱”大阪桐蔭。だが、そんな不利な状況でも「山田なら…」と思わせる力がこの右腕にはある。
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