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宇野昌磨ら育てた樋口美穂子コーチ「10年後の自分」のイメージが独立を決断させた【フィギュア】

2022年3月22日 18時56分

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10年後は「キラッキラに輝いていたい」と語る樋口美穂子コーチ

10年後は「キラッキラに輝いていたい」と語る樋口美穂子コーチ

 フィギュアスケート男子で五輪2大会連続メダルの宇野昌磨(24)=トヨタ自動車、中京大=ら多くのトップ選手を育てた名古屋市の「グランプリ東海クラブ」から独立を発表した樋口美穂子コーチ(52)が、「選手とともに成長したい」と10年後の自身の姿をイメージし、勇気を持って決断した胸中を告白した。
     ◇
 虚を突かれる発表だった。樋口コーチは15日、自身のツイッターに「この度、独立する事になりました。宜しくお願い致します」(原文まま)と短くつづり、自ら代表に就く新設クラブのホームページを紹介した。クラブ名称の「LYS」には「Let Yourself Shine」の頭文字を取り、「あなたらしく輝いて」との思いを込める。
 21歳に指導者となってから、いつもそばには山田満知子コーチ(78)がいた。恩師からの独り立ちには想像を上回る賛否の反響が寄せられているが、決意は揺るがない。
 「選手を輝かすために、まずはコーチが輝いていないといけない。いい選手を育てるコーチはみんな輝いている。10年後の自分の姿をイメージしたとき、もっと自分を磨かないといけないと思った」
 50歳を超え、人生の来し方行く末を考える機会が増えた。女子も4回転を跳ぶ時代。コロナ禍による世の中の変化。「私はこのままでいいのか」と自身を見つめた。「勇気を出して自分が変わらないと取り残される」
 教え子の宇野の存在も決断を後押しした。「僕は満知子先生、美穂子先生のもとで、スケート人生を一生送るつもりだった」。そう語る宇野のさらなる進化を願い、2018年平昌五輪後に新たな環境での挑戦を促したのは山田、樋口の両コーチだった。
 「昌磨は自分たちのもとを離れ、すごく成長した。苦労したと思うけど、乗り越えればこうなれるんだという姿を見せてくれている。今は練習の表情から輝いている。北京五輪ではさらなる成長の余白が感じられた」
 クラブに残す選手たちはもちろん気掛かりだ。そして何よりも山田コーチのことを考え、「満知子先生に恩返しはできたのか」と何度も自問した。尊敬する先輩に相談すると「十分に恩返しはしたよ」と言ってもらえて、気持ちがすっと楽になった。独立の意思を伝えた山田コーチには「残念」とも言われたが、最後は「じゃ、頑張って」と送り出してくれた。
 「キラッキラに輝いていたい」。10年後、その先の自身の姿を信じて、新たな一歩を踏み出した。
 ▼樋口美穂子(ひぐち・みほこ) 1969年5月13日生まれ、名古屋市中区出身の52歳。自宅近くにリンクがあったことから競技を始めた。92年アルベールビル五輪銀メダルの伊藤みどりは中学の同級生で同じクラブ。山田満知子コーチに師事し、20歳で現役を引退し、コーチの道へ。山田コーチとともに中野友加里、浅田真央、村上佳菜子、宇野昌磨らを指導した。振付師としての評価も高い。趣味はホットヨガ。

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