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中日・岡林、5日前にケガ…開幕スタメンを瞬時に失う苦しみ知る森野コーチ「出してあげたいが…」情と職務のはざま

2022年3月22日 11時18分

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中日・岡林

中日・岡林

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇21日 オープン戦 中日2―10ロッテ(バンテリンドームナゴヤ)
 開幕スタメンに懸ける思いと、それを瞬時に失う苦しみは、この男が一番知っている。
 「僕は折れてましたから。即ギプス。あの瞬間に、あきらめるしかありませんでした」
 森野打撃コーチが振り返ったのは、2006年の春。落合監督は長年、ドラゴンズを引っ張ってきた立浪を外し、森野を初めて開幕スタメンで起用することを決めていた。しかし、3月25日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で死球を受け、右手小指を骨折。病院から帰ってきて全治4~6週間という診断を報告したとき、森野は人目はばからず涙を落とした。
 開幕6日前の暗転。だから5日前に右手薬指を痛めた岡林の気持ちはわかる。ただし、16年前の森野と違い、腫れてはいるが折れてはいない。望みはある。
 「岡林が苦しみながらやってきたのを見てきたし、痛みをこらえて出たいという精神力を持っていることも知っています。だから(プレーするには)こんな方法があるよ、あんなやり方もあるよって話はしました」
 野球界の先輩として、痛みと付き合うノウハウを伝えた。何とか出てほしい。出してあげたい。「でもね…」と森野コーチは続けた。
 「それは情の話なんです。コーチとしてはそれではいけない。岡林はホームランを期待される打者ではありません。打って、守って、走って…。試合に出した場合、どれくらいパフォーマンスが落ちるのか。そこをしっかりと判断するのが仕事です」
 岡林の将来を考え、チームにとってのベストを立浪監督に具申する。それが非情な決定になったとしても…。
 「まだ3年目だからとか思うかもしれませんが、そこを目指して必死にやってきたんです。そりゃ出してあげたい。そう思いますが…」
 情と職務。相反する2つの基準のはざまに、首脳陣は立つ。提出期限ぎりぎりのタフな決断となりそうだ。

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