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やはり磯釣りはドラマだ! 伊豆大島で久々の大釣り後に…

2022年3月22日 05時00分

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今回の釣果の一部 上2匹のイサキやサバなど。一番下が44センチのオナガメジナ

今回の釣果の一部 上2匹のイサキやサバなど。一番下が44センチのオナガメジナ

 やはり磯釣りはドラマだ! 気付けば3月。磯の上物釣りでは寒メジナの終盤で、乗っ込みマダイ到来の季節である。今回は、いったいどんな想定外のストーリーが待っているのか…。期待2割に不安8割の思いを胸に、一足早くオオシマザクラが開花した伊豆大島に乗り込んだ。 (東京新聞記者・田原牧)

◆伊豆大島「秘密の地磯」

 2月は週末のたびに空模様が怪しく、遠征を断念した。サラリーマン釣り師の悲しい宿命だ。ようやく春一番の吹く3月初旬、伊豆大島に乗り込んだ。東京・竹芝からの午前のジェット便でたどり付けたが、午後便は強風で欠航。首の皮一枚の渡航である。
 いつもお世話になっている磯師の虎の穴「おくやま荘」に荷を置くや、早速、磯の探索に向かった。大島は全て地磯である。釣果の行方は場所選びが半分。場荒れしていない「秘密の場所」は自ら探すしかない。
 この日は西の強風で竿が出せるのは裏磯(東側)のみ。テニスコート下と呼ばれる断崖が続く一角に以前から目を付けていた無名磯があった。

◆“仙人のご託宣”も信じて久々の大釣り

 初めての磯に下見は不可欠だ。遊歩道脇の森をかき分け、磯に下りていくのだが、陽のあるうちに目印をつけておかないと、夜釣り後の遭難は必至。付近には人家どころか、人もいないからだ。ゼーゼーと息を荒らげて進んでいくと、眼前に突然、仙人のような老人が現れた。小柄でつえを突いているが、よく見ると使い込んだ石鯛竿だ。
 「あんた、ここでメジナでもやるんか」。地元の人とはいえ、こんな険しい岩場を老人がよく歩けるもんだと驚きつつ、聞くと「今日は釣りじゃない。セリを取っていた」と言う。「ここのタナは矢引。いまはベタベタでダメだが、夜は化ける」。そう告げて立ち去った。
 車に戻り、にぎり飯をほおばり、背負子姿で磯に向かう。悪路ゆえ、荷物は可能な限り減らす。たしかに浅い。ゴロタ釣りだ。なので竿は2・5メートルで道糸8号、ハリス6号の太仕掛け。ウキは1号で針はグレ針9号。良型のオナガメジナ狙いだ。
 仙人のご託宣を信じ、日没後に第一投。まず季節外れの良型イサキが食ってきた。続いてデカいカサゴ。卵を抱いているのでリリースする。下げ三分の午後8時ごろ、ガツンと来たのが44センチ、1・43キロのオナガメジナ。ここから40オーバーが連発した。久々の大釣りだ。

◆凝り性なので度重なる不運にも懲りません

 明るいうちでも、駐車スペースから30分は、かかる。余裕を見て23時前に納竿したが、ヘッドライトのみで悪路を歩くには荷が重すぎる。そこでキープしていた魚を何匹か海に捨てた。罪深いことだが、仕方がない。
 だが、海の神様は甘くなかった。罰は当たるのである。何回か休みながら、青息吐息で駐車スペースに戻り、車を出そうとしたが、なんと後輪が土に、はまってしまった。これは一大事。切り返したり、タイヤの下に木の枝を入れても何ともならない。時計を見ると、すでに午前零時半を過ぎている。
 宿からは車で約30分の場所だが、宿のオヤジさんはもう寝ているだろうし、他の客は酒を飲んでいるだろう。そもそも1キロほど山道を歩かないと携帯電話の電波が届かない。SOSは諦めた。夜明けまで待しかないと覚悟を決めた。
 3月の大島とはいえ、初旬の夜半はまだ底冷えする。寒くて寝られたもんじゃない。森の中では時折、繁殖期のキョンが奇声を発し、頭上を巨大な鳥がばたつく。月明かりもなく、心も冷える。
 ようやく空が白み始めた午前6時ごろ、フラフラと車から出て、携帯の届く場所まで歩いてSOS。一時間ほどして、オヤジさんがけん引用のチェーンを携え、四輪駆動車でやってきた。バッカンをのぞいて「おー、釣れてるじゃないの」。うれしい褒め言葉が疲労困憊(こんぱい)の身に染みる。
 今回もこうしてドラマがあった。ドラマの大半が「もうこりごり」系なのだが、それでも懲りない。取りあえずケガはなかったし…。今日は餌の芝エビをむき、道糸を換えた。磯釣り中毒者の性である。
<田原牧プロフィル> 本紙姉妹紙・東京新聞に籍を置き、仕事モードはメッポー怖いとされる。裏の顔はガチの磯釣り師。忙しい中でも空いた時間を見つけては釣り場に通う日々。メジナをメインターゲットとし、よんまる(40センチ)超えを目標にしている。ホームグラウンドの城ケ島へは電車とバスを乗り継ぎ通う。

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