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公金6億円投入も稼働休止続く 天竜・バイオマス発電関連施設

2022年3月16日 05時00分 (3月16日 18時02分更新)
環境省の補助金を活用して設置されたものの、稼働休止が続く燃料用ペレット製造施設=浜松市天竜区春野町で

環境省の補助金を活用して設置されたものの、稼働休止が続く燃料用ペレット製造施設=浜松市天竜区春野町で

  • 環境省の補助金を活用して設置されたものの、稼働休止が続く燃料用ペレット製造施設=浜松市天竜区春野町で
 富士宮信用金庫(富士宮市)などから融資金をだまし取ったとして、社長が東京地検特捜部に逮捕、起訴された太陽光発電関連会社「テクノシステム」(東京)が手掛けたバイオマス発電向け燃料用ペレット製造施設が、浜松市天竜区春野町にある。国の補助金六億円弱を活用して設置されたが、同社は昨年十一月に撤退し、施設は稼働休止が続く。多額の公金が投じられた施設が、宙に浮いた格好となっている。 (藤嶋崇)
 同社社長生田尚之被告(48)は昨年六月、バイオマス発電用の燃料を製造する工場設備を購入するなどの名目で富士宮信用金庫などから計約十一億六千五百万円をだまし取ったとして、詐欺罪で起訴された。
 関係者によると、生田被告の詐欺事件を捜査する中で、元公明党衆院議員の遠山清彦被告(52)やテクノシステムの元顧問らが在宅起訴された貸金業法違反事件が浮上した。
 環境省や浜松市によると、天竜区の施設は元々、再生可能エネルギー事業のJCサービス(大阪市)が着手。二〇一七年に環境省の事業採択を受けた。しかし、子会社のJC証券が金融庁の登録取り消し処分を受けるなどし、その後、テクノシステムが事業を引き継いだ。二〇年六月に商業運転が始まったが、昨年春ごろに稼働停止したとみられる。
 この事業で環境省の補助金はJCサービスに約一億七千億円、テクノシステムに約四億一千万円支払われた。
 テクノシステムには天竜区春野町の建設業団体が建物や土地を貸したが、百万円を超える未払い金を残したまま賃貸契約は昨年十一月末に解消された。金融機関のグループ会社などが新たな事業者を探しているという。団体関係者は「将来的に地元の木材を活用するとの話もあった。過疎地の活性化につながればと期待したが、まさかこんな状態になるとは」と話す。
 信用調査会社などによると、テクノシステムは東京地検特捜部の家宅捜索を受けた後の昨年五月、破産か民事再生法の適用を申請する方針を明らかにしたが、同十一月に方針を撤回した。
 テクノシステムの代理人弁護士は「取材は一切受けない」としている。

◆袋数百個放置、心配の声 細野元環境相も接点

 休止状態となっている施設の周りには、木材のようなものが入った袋数百個が残っている。一部は山積みが崩れ、袋が破れて中身があらわになっており「稼働している時は薬剤の臭いがひどかった。袋が放置されたままで心配」(八十代女性)とこぼす住民もいる。新たな事業者が見つかった場合について、建設業団体関係者は「もともと遊休地で、再開は急いでいない。地元の理解を得られることが大前提」としている。
 事業を始めたJCサービスは同社ホームページによると、二〇一七年に当時の社長が細野豪志元環境相(衆院静岡5区)を団長とする国会議員団とタイを訪問した。また、子会社のJC証券が細野氏に五千万円を貸していた。
 細野氏は一八年四月、資産等報告書で該当なしとしていた借入金を五千万円に訂正した。JC証券は、同年七月に金融庁から登録取り消しの処分を受けた。JCサービスを割当先とする増資をした際に会社法で必要とされる取締役会などを開いていなかったほか、増資の一部を貸し付けた際に貸借契約書を作成せず、払われていない利息の催促を一定期間していないなど、不適切な行為があったとされた。
 細野氏は二月中旬、本紙の取材に事務所を通して「(燃料用ペレット製造施設の)存在も経緯も知らず、相談も受けていない。借り入れとは全く関係ない」と回答。借入先がJC証券だったことに関しては「個人の借り入れ」として説明せず、テクノシステムとも「関係ない」とした。

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