ロシア軍、占領地域に傀儡政権 市長を拉致、すげ替え
2022年3月16日 05時00分 (3月16日 05時00分更新)
ロシア軍がウクライナ南部の占領地域で、傀儡(かいらい)政権の樹立を急いでいる。首長をすげ替えたうえで、名目的な住民投票を実施、分離独立の「モデル地域」にする狙いとみられウクライナ側が強く反発している。英BBC放送などが伝えた。
ロシア軍が支配する南部メリトポリでは、市長が兵士に拉致され、新たに親ロ派市議の女性が「暫定市長」に任命された。この女性は十三日、「信頼できる情報が不足しているので、本日からロシアのテレビにチャンネルを合わせよう」と住民に呼び掛けた。
ロシアメディアは、侵攻開始後の情報統制を受けて、事実と異なる情報を伝えている。「ロシア軍の攻撃の標的は軍事インフラだけ」「ロシアはウクライナ国民の解放者」といったプロパガンダ(政治宣伝)を住民に刷り込む狙いだ。
一方、ロシアはヘルソン州で「ヘルソン人民共和国」の設立に向けた住民投票を準備していると地元議員らが明かしている。ドニプロルドネ市でも市長がロシア軍に拉致された。
ロシアは、ウクライナの政権が親ロから親欧米に転じた二〇一四年、南部クリミア半島に兵士を送り込んで政府庁舎を占拠。一方的な「住民投票」を行い、クリミアを併合。同年、...
関連キーワード
おすすめ情報