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小出義雄さんのピンクのシャツは弟子や孫弟子に何を訴えたのだろう【満薗文博コラム・光と影と】

2022年3月13日 21時52分

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ピンクのシャツを着た筆者と太田(右)、大西(左)

ピンクのシャツを着た筆者と太田(右)、大西(左)

◇13日 名古屋ウィメンズマラソン(名古屋市・バンテリンドームナゴヤ発着の42・195キロ特設コース)
 「ハグしていいですか!」。長い取材歴の中で、まだ走り終わった後のぬくもりを残す女子ランナーのハグを受けたのは初めてである。
 右脚のけがが癒えたばかりの和久夢来(みらい、26)=ユニバーサルエンターテインメント=は2時間27分16秒の12位でゴールした。マラソンの名伯楽、小出義雄さんは2019年3月、和久の初マラソンを見届けると、翌4月の24日に80歳でこの世を去った。最後のこのまな弟子は、小出さんをこよなく敬愛していた。
 実は、和久がハグしたかったのは、私が身に着けていた「ピンクのストライプ」のワイシャツだった。小出さんが逝った後、啓子夫人から「主人の形見に」と渡された一着を身に着けて取材に臨んでいたのである。
 2時間25分56秒で8位に入ってMGC(グランドチャンピオンシップ=来秋の24年パリ五輪日本代表選考会)の資格を得た太田琴菜(26)と、15位と健闘した大西ひかり(21)は、ともにJP日本郵政グループから初マラソンに挑んだ。立命大時代の活躍から一転、ここまで4年間、けがに泣かされ続けてきた太田に、やっと復活の光が差した。
 前日、件(くだん)のピンクのシャツで、その2人の選手とJP日本郵政グループの高橋昌彦監督(57)を鼓舞した。高橋監督は、かつて小出さんの下でコーチを務めた人。だから、太田と大西は「孫弟子」にあたる。初陣を翌日に控えた2人は頬を紅潮させ、健闘を誓っていた。
 最後に一つ。この日、テレビの解説を務めた高橋尚子さん(49)は「えっ、監督のシャツ!」と言って絶句した。老齢にピンクは気恥ずかしいが、弟子や孫弟子にこのシャツは何を訴えたのだろう。(スポーツジャーナリスト)

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