高齢者の送迎を民間で力添え 裾野市で実証実験
2022年3月13日 05時00分 (3月14日 10時13分更新)
裾野市でまちづくり活動に取り組む一般社団法人「マチテラス製作所」は、高齢者を対象に買い物の送迎を無料で行う実証実験を始めた。
市は財政難で、公共交通の弱体化が課題になっている。市民のニーズを検証し、住民主体で交通手段を確保する動きの呼び水にしたい考えだ。
初回の九日は、実証実験に協力する福祉施設の担当者が車を運転し、三人を送迎した。午前十時ごろにそれぞれの自宅付近まで迎えに行き、希望のあった商業施設やドラッグストアへ。一時間弱の買い物時間を設けた後、昼ごろには再び自宅付近に送り届けた。
数年前に自動車免許を返納し、市の自主運行バス「すそのーる」が主な交通手段という六十代の女性は「本当に助かる」と喜んだ。
市は収支率が目標に届かなかったため、すそのーるを今月末で廃止する予定。四月から民間事業者が代替路線を開設するが、便数が減り運賃も割高になるため、市民からは不満の声も出ている。
実証実験は今月、高齢化が進む青葉台、茶畑団地、鈴原の三地区で、自力歩行できる六十歳以上が対象で、指定の数カ所の中から行きたい店に車で送迎する。定員は各回五人。
同法人は利用者に、希望する頻度やルート、有料ならい...
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