浜松倉庫 女性を積極採用

2019年11月26日 02時00分 (5月27日 05時26分更新)

◆袋井の拠点「数年後100%に」

巧みなハンドルさばきでフォークリフトを運転する宮本茉莉奈さん=袋井市の浜松倉庫袋井流通センターで

 県西部で倉庫業などを展開する浜松倉庫(浜松市中区)が、女性のフォークリフトオペレーター(運転者)を増やしている。人口減少に伴う採用難を見越し、十年以上前から採用を続けており、袋井市の拠点では運転者の半数以上を女性が占める。中山彰人社長は「二~三年後には全員女性にしたい」と展望する。
 前進したり後進したり、円を描くように回ったり。昼下がりの袋井流通センターでは、慣れた手つきでフォークリフトを操る女性の姿が目につく。倉庫内から外に降ろされた荷物は、列がゆがむことなく整然と並べられている。
 同社は二〇〇五年に初めて女性のフォークリフト運転者を採用。以後も毎年一~三人を迎え入れている。現在は全運転者六十九人の26%に当たる十八人が女性で、全国の運輸・郵便業の平均21・9%(今年九月時点の総務省労働力調査)を上回る。
 特に袋井は、同社の四カ所の流通センターの中では力仕事が比較的少ないため、運転者九人中五人が女性だ。〇五年入社の「一期生」に当たる宮本茉莉奈さん(33)は「運転センスが物を言う仕事。男女差はほとんどない」ときっぱり。女性社員が増えることで、高校の先輩の勧めで後輩が入社するといった好循環も生まれている。
 中山社長は「一度覚えたことは忘れない人が多く、仕事も丁寧。倉庫内での接触事故はほとんどない」と指摘。単なる人員不足の穴埋めではなく「女性を通常の戦力として考えている」と話す。「会社の雰囲気が明るくなった」など、取引先にも好意的にとらえられているという。
 女性社員の声を聴きながら職場環境の改善も進めてきた。トイレに温水洗浄便座を付けたり、制服のデザインに意見を取り入れたりしている。
 産休や育休の取得も積極的に呼びかけており、出産後も働き続ける人がほとんどという。
 来春入社の内定者も女性が大半。このペースで採用を進めれば、二~三年後には袋井のフォークリフト運転者は100%女性になる見通しだ。中山社長は「物流業界全体が人材不足に陥る中、女性が活躍できることを証明するシンボリック(象徴的)な場所にしたい」と意気込む。
(鈴木啓紀)
 <大原みれい・日通総合研究所研究員の話> 人手不足対策を約十五年前から立て、当時珍しかった女性フォークリフトオペレーターに焦点を当てたことは、時代の先駆けと言える。高卒女性の採用を毎年必ず行ったことが人材獲得競争での成功につながったのではないか。

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