間伐材で折り畳みトイレ 浜松の丸玉が考案

2020年3月27日 02時00分 (5月27日 05時26分更新)

◆災害時の避難生活に備え

安定感や使い勝手を追求した丸玉の木製折り畳み式トイレ=浜松市浜北区で

 木材加工業の丸玉(浜松市浜北区)が、間伐材を使った折り畳み式トイレを考案し、販売を始めた。工事現場や通行規制で使われる主力製品の木製バリケードの仕組みを応用し、安定感が高いのが強み。災害時の避難生活で切実なトイレ問題への備えとして、自治体などを中心に提案する。
 トイレは脚部と座面で構成。脚部をX字状に広げて座面を上に置き、中央に開いた穴の下に袋やバケツを置いて使用する。広げた脚を固定する金具には、バリケードの転倒を防ぐための金具を活用。重さは六キロほどで、木材ならではの頑丈さで大人の体重にも耐えられる。
 座面は幅四四・五センチ、奥行き四九センチ。一般的な洋式便座は楕円(だえん)形だが、四角形にすることで隅を手すりの代わりにして身体を支えられるように工夫した。高さは四四センチで、子どもの使いやすさも考慮してある。

折り畳んだトイレを手にする丸玉の鈴木教太社長。バリケードの構造を応用した=浜松市浜北区で

 個室の和式便器の上に置けば、洋式便座と同じように座って用を足せる。避難所となる学校や公共施設には依然として古い和式便器が多く、足腰が悪いお年寄りや障害者、不慣れな外国人には負担とされる。鈴木教太(のりふと)社長(61)は「トイレを気持ち良く使えないと我慢してしまい、体調を崩しかねない」と心配する。
 災害用の組み立て式トイレは段ボール紙製のものも出回っているが、鈴木社長は「汚れが染み込めば衛生上良くないし、強度も弱まる」と見る。
 二〇一六年の熊本地震など近年の大規模災害で避難所のトイレ問題が報じられ、汚れを拭き取れば清潔さを保てる木材の長所に着目。災害ボランティア経験者の意見を聞き、自身も試用しながら約二年間研究し、年明けに製品化した。
 静岡県産ヒノキを使った高級感のある「静竜」(税別九千八百円)と、建築材を応用した「山香(やまか)」(同九千円)の二種類がある。観光バスに備えたり、キャンプ場に持ち運んだりといった需要も見込む。鈴木社長は「木目の美しさや香りが少しでも癒やしにつながれば」との思いも込める。
(久下悠一郎)

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