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<三遠南信逸品リレー>肉なしギョーザ 豆腐製造・須部商店(浜松市)

2022年3月3日 05時00分 (3月3日 05時02分更新)
ベジタリアンにも口にしてもらえるように、豚肉を使わず大豆由来の素材や野菜で食感を追求した須部商店のギョーザ=浜松市北区都田町で

ベジタリアンにも口にしてもらえるように、豚肉を使わず大豆由来の素材や野菜で食感を追求した須部商店のギョーザ=浜松市北区都田町で

 静岡県遠州、愛知県東三河、長野県南信州で生み出された新商品・サービスを広めるため、各地域の信用金庫が取り組んでいる「三遠南信しんきん地域応援プロジェクト」(中日新聞東海本社後援)。応援購入サイト「マクアケ」で三十日まで展開しており、逸品の数々が人気を集めている。コロナ禍で苦境が続く中、こだわりやアイデアで勝負を仕掛ける事業者の挑戦を随時、紹介する。
 大根おろしのたれを付けて頬張ると、モチモチとした食感と共に、キャベツの甘味が口いっぱいに広がる。味も形もギョーザそのものだが、肉を一切、使っていない。ギョーザ消費量が全国屈指の街で豆腐製造を営む須部商店(浜松市北区都田町)が、大豆由来の素材や野菜を使って生み出した新商品だ。
 「豆腐屋のギョーザ」は、浜松で商いをする須部治社長(58)にとって積年のテーマ。過去には、おからと豚肉でヘルシーさを売りにしたギョーザを考案した。ただ「ベジタリアンや、健康面で肉が苦手な人には選んですらもらえない」と痛感。さらに進化させようと、代替肉の大豆ミートを使って完全な「肉なしギョーザ」の開発に乗り出した。
 しかし「具材を入れ替えて食感を再現できるほど単純ではなかった」。豚肉の脂がない分、試食した人からは「おからがボソボソしておいしくない」と駄目出しを受けた。
 どうすれば粘り気が出るのか−。ヒントは意外と近くにあった。大豆をつぶした練り物「がんもどき」でつなぎに使う山芋だ。これを加えることで、しっとりとしたあんになった。さらに濃いめの魚醤(ぎょしょう)を使うことで、味にパンチを引き出した。須部社長は「材料をそろえるだけでは、ものづくりとは言えないことを学んだ」と語る。
 商品名は「大豆と野菜のやさしい餃子(ギョ−ザ)」。材料を気にせず「家族でギョーザを楽しんでほしいから」と須部社長。専門店がひしめく激戦地域で「新たな選択肢になれば」との願いを込める。 (久下悠一郎)

<須部商店(浜松市北区都田町)> 1877(明治10)年創業。豆腐や油揚げを中心とした大豆製品を、業務用や小売店向けに製造する。従業員約30人。2013年には本社近くに直営の豆腐料理店「川辺の食卓 都田のとうふ 勘四郎」を開業した。

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