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国公立大の前期日程初日に挑む競馬ファンの受験生にエールを送る【獣医師記者コラム・競馬は科学だ】

2022年2月25日 06時00分

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タヤスアゲイン

タヤスアゲイン

◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」
 25日は多くの国公立大で前期日程入試の初日。そんな朝に、ネットニュースを開く受験生などごく少数に違いない。でも、競馬ファンは、いつも馬のことが気になるものである。
 記者も24年前、試験会場へ向かう常磐線の駅のホームでトーチュウを買った。その週の日曜重賞はアーリントンC。骨折からの復帰戦だったタヤスアゲインの近況を伝える原稿の署名など、当時は気にも留めていなかったが、筆者は今のレース部デスクだった。縁とは不思議なものである。
 似たような気持ちでいる、馬を愛する受験生のみなさんに伝えたい。競馬ファンであることは、教養を得る作業の塊である。自信を持ってほしい。
 化学や物理では「沸点上昇・凝固点降下」という現象を学んだ。冬のダートには塩化カルシウムに食塩をブレンドした凍結防止剤がまかれ、夏とは馬場の性質が変わる。凍結防止剤は馬場水分に溶けて凝固点を降下。厳冬期に馬場の凍結を防ぐ。同時に蒸発しにくくもなる。だから冬場のダートは気温の影響以上に晴れても乾きにくい。
 ラップタイム分析では、個々のラップの速さの評価とは別に、隣接するラップの上下をみることがある。「力は速度の2回微分」とは物理の知識。隣接するラップの差をみるのは、速度の微分によって馬の生み出す力を測ることだ。
 まだ馬券は買えずとも、馬券を買うなら…と考えるのは未成年競馬ファンの常。3連複6頭ボックスは(6x5x4)÷(3x2x1)=20点。公営競技など眼中にないライバルが経験したことがない、数学の組み合わせ計算の実践だ。
 馬名には英単語があふれ、コロモホステフ、ユメノカヨイヂのようにいにしえの名歌から取ったものもあまたある。静内、安平、新冠。これら地名を事もなげに読めるライバルなど道外にはほとんどいない。
 「受験勉強は社会で役に立たない」。真っ赤なウソだ。われわれは机上で学ぶ知識を超え、競馬のことを考える中で日々、それと気付かず知識を実践してきた。
 ぜひ楽しんで入試を乗り越えてほしい。多くの大学には競馬サークルも馬術部もある。きっと、これまでとは比べものにならないくらい、馬が近いキャンパスライフが待っている。

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