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小野伸二以来の衝撃…FC東京・松木玖生のフィジカルの強さ、鋼のメンタルは18歳とは思えない強烈なものだった

2022年2月22日 06時00分

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川崎―FC東京 後半、イエローカードを受けるFC東京・松木(右から2人目)=18日、等々力陸上競技場

川崎―FC東京 後半、イエローカードを受けるFC東京・松木(右から2人目)=18日、等々力陸上競技場

◆コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」
 1998年、小野伸二が浦和でデビューしたとき以来の衝撃だった。あのときの小野は天才的にうまかったが、FC東京で開幕スタメンデビューを果たした松木玖生はその強さが際立っていた。フィジカルの強さを生かしたコンタクトプレーはもちろん、鋼のメンタルは18歳の高校生とは思えない強烈なものだった。
 まずは前半28分のシュートシーン、永井のクロスからディエゴオリベイラ、レアンドロとつなぎ、ディエゴへのリターンがこぼれた瞬間、松木はダイレクトでシュートを狙った。鄭成龍(チョン・ソンリョン)の好セーブに阻まれた瞬間、松木はほえていた。悔しさむき出しの絶叫だった。
 さらに後半5分には、登里のふくらはぎを後ろから削って警告を受けた。高校生ルーキーが開幕戦で後ろから削ってイエローなんて、記憶にない。「球際は全然負けていなかった。自分はいつも通りやっただけ」。激しいフィジカルコンタクトで相手のボールを奪い、攻撃に切り替える。それでも不満が口をつく。
 「決めるところで決めきれない。まだまだボールを失うことがFC東京で一番多かった。開幕戦で点を取りたかった。決めきれるかどうかで変わってくる」。負けたとはいえ、開幕デビューを果たした18歳のコメントではない。
 テクニックも確かだ。前半24分、永井から横パスを受けると迷うことなく正確なリターンパス。そのボールを永井がワンタッチで逆サイドのレアンドロにパスし、決定機が生まれた。ここも鄭成龍に阻まれたが、永井のスピードを生かす選択とパスの質は文句なし。
 さらに前半43分、小川のライナー性クロスを左足インサイドを使い、ダイレクトでコントロールすると、2タッチ目で横にいたディエゴに絶妙のパス。ディエゴのシュートも鄭成龍にはじかれたが、松木は周囲がよく見えており、そのうえ決断がめちゃ早い。永井のような身体的なスピードはないが、シンキングスピードはFC東京の中でもピカイチなのではないか。後半27分、塚川に右すねを激しく蹴られ、途中交代となった。相手も松木のことを18歳のデビュー戦などと思っていない。本気でつぶしに来ていた。
 後半になると、相手ゴール前に顔を出す回数が減った。立ち上がりからフルコンタクトであれだけ激しくやり合い、動き回ったのだから運動量も若干落ちていた。それでもアルベル監督は「18歳がデビューしたことに満足している。遠くない将来、日本サッカーに喜びを与えてくれる選手に成長するだろう」と大きな期待を口にした。
 左利きのインサイドハーフ。日本代表では田中碧も守田も原口も右利き。松木はシュート力もあるし、残り30分なら大きな戦力になるのではないか。アジア最終予選を勝ち抜くことができたなら、カタールW杯の一員に!? いくらなんでも気が早いか…。
 しかし、昨年の欧州選手権で大活躍したスペイン代表のペドリは18歳だった。イングランドではオーウェンが18歳、ルーニーが17歳。マラドーナのアルゼンチン代表デビューは16歳、ブラジル代表ロナウドは17歳でW杯メンバー入り。ペレは16歳で代表入りし、17歳でW杯に出場。6得点を挙げてブラジルにW杯初優勝をもたらした。彼らはすごすぎて別格かもしれないが、日本でも市川が17歳、久保が18歳で代表デビューした。松木が19歳でW杯に出場しても、なんの不思議もない。彼には鋼のメンタルがある。
 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
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