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伐採から加工までバーチャル体験 新城の県センター、林業シミュレーター導入

2022年2月19日 05時00分 (2月19日 16時23分更新)
シミュレーターを体験する田口高の生徒ら=新城市上吉田の県森林・林業技術センターで

シミュレーターを体験する田口高の生徒ら=新城市上吉田の県森林・林業技術センターで

 最先端の林業機械の普及と、林業現場での労働災害減少を目指し、新城市上吉田の県森林・林業技術センターに、搭乗型の高性能林業機械シミュレーターが導入された。県林務課によると、導入は全国で4例目。地元の高校生たちが16日、操作に挑み、バーチャルの世界で林業を体験した。
 シミュレーターは、立ち木の伐採から枝の切り落とし、丸太加工までを一連で体験できる「ハーベスタ」と呼ばれる機械の操縦を模擬体験できる。パソコンに機械レバーを接続する類似品もあるが、導入されたシミュレーターは実際に操縦席に乗り込み、前と左右の連続した三つの画面で、本物の視野に近い状態で操作を学べる。
 本物と同様に、左のレバーで先端側アームの押し引きと本体の旋回、右のレバーで基部側アームの押し引きと材をつかむヘッド部分の旋回などができる。現場の傾斜に伴う揺らぎを含め、動きが忠実に再現されており、VR(仮想現実)用のゴーグルと組み合わせることで、よりリアルな体験が可能となる。
 初心者が安全に技術を磨けるだけでなく、造材本数や切り株の高さ、燃料消費量などといった作業効率を含めて百点満点で評価されるため、経験者が習熟度を高めることにも役立つ。
 十六日は、設楽町の田口高校林業科の生徒十三人が訪れ、シミュレーターで操縦を学習。センター職員から「できるだけ根元に近いところで切断し、材の有効利用を心掛けて」などと指導を受けながら、林業現場を実感した。杉村響さん(17)は「ちょっとした操縦の誤差や修正がリアルに反映され難しい。森林組合に就職したいと思っているので、よい経験になった」と話した。
 厚生労働省によると、林業者が現場で死傷する率は二〇二〇年の調査で千人当たり二五・五人で、全産業平均の約十一倍となっている。県林務課の大代(だいだい)朋和さん(46)は「たくさんの人に、機械化された最先端の林業を実感してもらい、労働災害の発生を減らしていきたい」と述べた。
 (山谷柾裕)

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