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“はだし練習”で大成…江藤、前田、中村紀育てた名伯楽 中日・根尾は「左足の内転筋強くしろ 親指内側にマメを」

2022年2月16日 10時09分

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中村打撃コーチ(右)から指導を受けるはだしの根尾

中村打撃コーチ(右)から指導を受けるはだしの根尾

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って
 今キャンプ、すっかり恒例となった根尾の超早出練習。この日も7時45分に始まった。バットを投げたり、ハンマーを振ったりと引き出しはいくつかあるが、必ずやっているのは、はだしでのティー打撃だ。
 「原始的ですが、僕も昔やってました。僕は普通に打ってましたから。自打球当たったら、折れてまう(笑)」
 根尾にスパイクを脱がせたのは中村紀打撃コーチ。そのコーチをはだしにさせ、通算404本塁打の基礎をたたき込んだ人に、久々に話を聞いた。
 「おお。あれは江藤にもやらせた。前田もや。ノリを預かった時、まだ10本も打ってなかったが、すぐに『こいつはモノになる』と思った。ヨーシ、やるかとな」
 水谷実雄さん(74)は自らも通算244発の強打者だったが、広島では江藤智(5位)、前田智徳(4位)、近鉄で中村紀洋(4位)と下位指名の高卒打者を大きく育てた名伯楽だ。中村紀と過ごしたのは1994、95年。「10・8」の伝説が生まれ、イチローが210安打を打った。当時の中村紀は3、4年目。つまり今の石川昂や根尾である。
 真夏の焼けるような土の上にも、中村紀を立たせた。何度も繰り返したのは「指で土をかめ」。左打者の根尾のことを聞くと、まるで僕に教えるかのように熱く語った。
 「軸の左足の膝、内転筋。内側の筋肉を強くしろ。親指の内側にでっかいマメをつくれ。皮がめくれてもかまわん。ええか? 外じゃいかん。内側じゃ」
 当時の中村紀はナイター前の早出と後のスイングが日課だった。おまけに「20本打つまでは外出禁止じゃ」。4年目に達成。晴れて夜の街に繰り出した…。というのは表の美談。こっそり羽目を外した夜もある。
 「それも水谷さんは知ってたんだよ。ある夜、ネオン街であわや鉢合わせ。普通は中村が隠れるでしょ? ところが先に気付いた水谷さんの方が電柱の陰に隠れたんだ」
 当時を知る関係者が教えてくれた。見て見ぬふり。やはり師は偉大である。

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