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名古屋発、フィギュア採点システムを開発 名古屋・名東区の「コムネット」

2022年2月15日 05時01分 (2月15日 15時27分更新)
フィギュアスケートの採点システムについて説明する沢田さん=名古屋市名東区で

フィギュアスケートの採点システムについて説明する沢田さん=名古屋市名東区で

 伊藤みどりさん(52)、浅田真央さん(31)ら多くのフィギュアスケートの名選手を輩出した愛知。そんな王国からは、競技に欠かせない名脇役も生まれている。名古屋市名東区のシステム開発「コムネット」。国際スケート連盟(ISU)公認の採点システムを開発し、国内の主要大会のほぼすべてで導入され、フィギュア界を支えている。
 昨年末、全日本選手権を生中継するテレビ画面。宇野昌磨選手(24)がトリプルアクセルに成功した直後、画面の左上の得点表示が動く。緑色のランプが点灯したのは成功したあかしで、さらに出来栄え点も加算される。その時点での一位との差など、経過が即時に反映され、視聴者のわくわく感を高める。
 こんな中継方法ができるのも、同社のシステムがあればこそ。競技中、審判は演技を見ながら、同社が提供した採点用のタブレット端末に結果を入力。そのデータをテレビ局が特別にもらい受け、一部を加工してほぼリアルタイムに画面に映し出す。
 「大昔は最後の選手が演技を終え、得点と順位が確定するのに三十分くらいはかかったんだけどね」。元選手だった社長の沢田一也さん(68)は手作業だった時代と現代を思い比べ、苦笑する。
 競技のかたわら名古屋大教育学部で勉学に励み、その後は転学した名城大で超音速の研究をした変わり種。引退後の一九七六年、理系の人材として白羽の矢が立ち、県スケート連盟内で採点システムを手掛けた。
 国内初の電算化した採点システムだったといい、評判は良かった。その後、自ら会社を起こし、システムを更新し続けた。九八年長野五輪では、国際オリンピック委員会(IOC)スポンサーのIBMの依頼を受けて技術を提供。自国開催の祭典を陰で支えた。
 現在、ISUの公認を受けた採点システムを持つのは同社とスイスの一社だけという。審判の利便を考え、システムの操作性自体はスイスの製品とほぼ同じだが、「解像度が高く、スロー再生などの映像は弊社のシステムのほうがきれい」と胸を張る。
 北京冬季五輪はスポンサーのオメガが採点システムを手掛けるため出番はない。ただ、「大会中は不具合が起きないかどきどきして、とにかく早く無事に終わってほしいと祈りながら見ている」と漏らす沢田さんにとって、一ファンとして純粋に楽しめる貴重な機会になりそうだ。
 (多園尚樹)

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