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世界のトレンドは『インテンシティー&クオリティー』選手権で青森山田が具現化し優勝 JリーグでFC東京・松木玖生に期待

2022年2月15日 06時00分

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第100回全国高校サッカー選手権 大津―青森山田 前半、攻め上がる青森山田・松木(右)

第100回全国高校サッカー選手権 大津―青森山田 前半、攻め上がる青森山田・松木(右)

◆コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」
 2月7日にオンラインによる日本サッカー協会(JFA)メディアブリーフィング「テクニカルスタディーグループによる冬の男子各種全国大会の分析報告」が行われた。指導者向けの報告会を報道陣向けに公開したもので、JFAの小野剛技術委員とU―20日本代表の影山雅永監督も出席し、解説を加えた。
 興味深かったのが第100回全国高校サッカー選手権大会を担当した久留米総合(東京)の加藤悠監督の分析だ。「インテンシティー&クオリティー」(強さと質)のタイトルで、攻守の切り替えの連続で激しい攻防が繰り広げられたと振り返った。
 選手権では青森山田が圧倒的な強さで優勝した。徹底的に鍛え上げたフィジカルの強さを前面に押し出し、前線、中盤からプレッシングしてボールを奪うと、そのまま速攻でゴールを狙う。崩すのが難しいと判断すれば、ポゼッションし、もう一度攻撃を組み立て直す。まさに「インテンシティー&クオリティー」を具現化したサッカーだった。
 小野委員は「5年後、10年後のサッカーをつくっていく」とした上で、「中東のサッカーは変わってきている。選手を育て、タフな戦いができるようになり、ハイプレッシングをかけて戦うようになっている」と分析した。
 さらに影山監督は「プレッシングが厳しい中でどう崩すか。(日本)代表につながる育成の部分を発信していかなければならない」と今後の課題を口にした。
 日本代表のザッケローニ元監督が強調したインテンシティー。いまや日本人選手が海外に出て行くと、必ずと言っていいほど対人プレーが強くなる。日常の激しい練習、ゲームの中で、それが当たり前となっているからだ。
 青森山田は高校レベルでは別格のインテンシティー&クオリティーを見せた。控え選手も含め、徹底的に肉体を鍛え、それが日常となっている。その中のえりすぐりの選手たちがレギュラーであり、その象徴的な存在がFC東京に入団した松木玖生選手だ。松木選手は飛び級でU―22日本代表にも名を連ねており、Jリーグでも期待値は飛び抜けて高い。
 ところが、トップレベルの指導者とは違い、一般の高校サッカーファンは受け止め方が違っている場合もある。ネットの書き込みをみると、青森山田の激しいプレーに関して「反則まがい」「イエローカードもの」「高校生らしくないプレー」というネガティブなとらえ方もあった。
 今後、高校サッカーでもますますインテンシティーを求める指導者が増えていくだろう。そうでなければ、青森山田には勝てない。日本代表しかり、高校サッカーしかり、それどころか世界のトレンドは「インテンシティー&クオリティー」を求めて突き進んでいる。
 激しいプレーと汚いプレーはまったく違う。専門化や指導者はその違いを理解できても、そうでない人は、選手が倒されたり吹っ飛ばされたりすると「反則」と思ってしまう。コアではないファンに、ルールと対人プレーのテクニックを分かった上で、反則との違いをいかにして伝えていくか。その違いが分かれば、サッカーの魅力がもっと多くのファンに伝わっていくだろう。
 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
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