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カーリング娘たちよありがとう…「いいよー」「わかったー」北海道なまりの明るい声と逆転劇に勇気をもらった【北京五輪】

2022年2月12日 16時58分

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デンマークに勝利し、笑顔の鈴木(左)と吉田知(AP)

デンマークに勝利し、笑顔の鈴木(左)と吉田知(AP)

【満薗文博コラム・光と影と】
 30歳の娘が3人。藤沢五月、鈴木夕湖、吉田知那美。そして、知那美の妹・夕梨花が28歳。
 北海道東北部、オホーツク海とサロマ湖に面する北見市常呂町。人口およそ4000人のこの町から世界に挑んでいるカーリング娘たちに心を揺さぶられた。
 デンマーク相手に、初回に先取点を挙げながら、すぐに逆転され、後は劣勢を通し、5―7で迎えた最終10エンド。これを藤沢が最後の一投でひっくり返して8―7で勝利した。まさに奇跡の逆転劇だった。
 前回の2018年平昌(ピョンチャン)大会で、カーリングははじめ「無印」だった。かつて、陸上競技の取材などで訪れ、あの北見の街の風景は知っていた。だが、カーリングの認知度が低いころ、やがて世界に挑む娘たちを育む土壌が横たわっているのは知らなかった。だが、その明るいチームカラーで、彼女らは一躍、国民のヒロインになった。
 競技の間に1度だけ許される補食タイムで、彼女らは車座になってにぎやかに作戦を話し合いながら、食べ物をほおばり、それは「もぐもぐタイム」として流行語にもなった。だから、明るいこの娘たちが銅メダルを獲得したとき、列島が祝福ムードに包まれたものだった。
 あれから4年。娘たちもそれぞれに歳を重ねて、今回も出場切符を手にした。26歳だった3人は30歳となり、最年少だった夕梨花は28歳になった。だが、その元気さと、明るさは変わっていなかった。「いいよー」「わかったー」など、北海道東北部なまりの交じった声が飛び交う。前日勝利したカナダ戦、この日対戦したデンマーク戦でも、声と躍動感、そして劣勢の中でも絶やさない笑顔は相手を圧倒していた。劣勢のさなか、一緒にテレビ観戦していた妻が言った。「負けているのに明るいよねぇ!」。
 軽はずみに、あるいはありきたりに「スポーツは人に勇気を与える」などと、言うつもりはない。だけど、この日、少なくとも僕は、4人合わせて118歳の娘たちの逆転劇に感動をいただいた。
 2月12日、この日は土曜日。それも、お昼時。世界は4年前の平昌時とは決定的に違うコロナの渦中にある。お茶の間でカーリング娘たちの声に鼓舞され、奇跡の逆転劇に励まされた人たちは多かったはずだ。
 この日夜には、強豪ロシア(ロシア五輪委員会)戦が待つ。30歳と28歳の娘たちに、ありきたりな言い方だが、明るさをもらおう。

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