鍵山優真が魅せたステップシークエンス…次の五輪までの成長が楽しみ【村上佳菜子スマイルレポート】
2022年2月10日 20時37分
◇10日 北京五輪 フィギュアスケート男子シングル・フリー(北京)
男子フリーは予想通りハイレベルな戦いになりました。その中で、鍵山優真選手が銀メダル。本当に素晴らしい演技を見せてくれたと思います。
団体のときよりは緊張しているように見えました。でも、一度滑っているので、いいイメージを持って演技を続けていました。最も注目していた4回転ループはqマーク(4分の1の回転不足)がつきましたが、しっかりまとめきったと思います。さらに、目を見張ったのはステップシークエンスでした。
曲のボーカルが入るパートで、歌声に似合う膝の柔らかさやスケーティングの巧みさを見せました。全体を通じても最大の特長であるスケーティングのうまさ、スピード感を出していました。鍵山優真というスケーターの持ち味を存分に出し切ったと思います。次の五輪までどのように成長していくかが楽しみです。
羽生結弦選手のクワッドアクセルへの挑戦は、「跳べた!」と思いました。が、転倒となってしまいました。技術的にも問題はなく、98%ぐらい完成していたと思います。
クワッドアクセルがなくても優勝や表彰台は狙えたと思います。その他の構成要素は素晴らしかった。それでも、アクセルを組み込んで、演技に臨みました。インタビューで「ここまで頑張った」と言っていましたが、羽生選手からその言葉が出たのは、相当つらい練習を積んだからこそだと思います。今は気持ちをゆっくり整理してほしいです。
銅メダルの宇野昌磨選手はジャンプなどにミスがありました。しかし、五輪という舞台で高難度の構成に挑んだこと姿勢自体が素晴らしいことだと思います。そして、その挑戦の中で、3位となりました。次のステップにつながる試合になったと思います。
金メダルのネーサン・チェン選手も一つミスがありましたが、終始安心して見られる演技でした。コレオシークエンスや滑っているときの表現力に引き込まれました。各選手がそれぞれの目標に挑んでいった熱いフリーの滑りをみせてくれました。(プロフィギュアスケーター、ソチ五輪代表)。
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