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周回方向の左右で馬に生じる巧拙を見極めるには…【獣医師記者コラム・競馬は科学だ】

2022年2月11日 06時00分

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栗東坂路でレッドヴァイス(右)と追い切るサンレイポケット

栗東坂路でレッドヴァイス(右)と追い切るサンレイポケット

◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」
 京都記念では「右回りが課題」とされる馬が2頭いる。サンレイポケットとマリアエレーナだ。前者は左回り【4227】に対して右回り【1214】。後者が同【3312】と【1011】。実績は左回りの方が厚いが、どちらもオープンのレベルで右回りに使っていないだけでもある。
 サンレイポケットについて高橋忠師が「正直なところやってみないと」と言うように、使っていないから欠けている実績なのだから、「右回りではダメ」とは即断できない。
 周回方向の左右で、馬に巧拙が生じるのは手前変換に巧拙があるからだ。マリアエレーナは、左回りのコーナリングで使う左から、直線で使う右への切り替えが非常に滑らか。「左回りの方が得意」というのは間違いないだろう。かといって、右から左への切り替えがぎこちないということはない。サンレイポケットは手前変換の巧拙に左右差は認められない。
 書いてしまうと簡単な判断にも思われるが、実際のところ「その手前変換は(ファン目線で)どう見極めるのだ」というところが、競馬を覚える時にひとつの壁になっていると思う。
 ギャロップのフォームは左右非対称で、厳密には4種類。前肢の着地順で2種。前後の着地順がそろうか否かで2種。2×2で4種類だ。ただ、安定走行時は前後そろった「交差襲歩」なので、実用上は前蹄の着地順の左右が見極められれば、ひとまず足りる。
 四蹄の着地順が定義だからと、蹄の動きを追ってしまうと見づらい。蹄は馬の走行時、最も高速に運動しているパーツだ。記者は主に肩周りやトモの動きを見ている。後肢が路盤をけった次のフェーズで肩が先に出てくる方が反手前前肢、後から出てくる方が手前前肢だ。後から出てくる肩が左なら左手前、右なら右手前になる。
 しかし、栗東で矢作厩舎だけは蹄よりを見てしまう。左右のバンテージが紅白に色分けされているから分かりやすい。手前の見極めを身に着けたい時は、まず矢作厩舎の追い切りVTRで四肢の動きを追って納得した上で、肩やトモの動きを比べてみると体得しやすいのではないか。

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