ミケルソンはPGAツアーを猛批判…「新リーグ構想」を背景に続くマネー戦争【武川玲子コラム】
2022年2月8日 19時07分
ベテラン、51歳のフィル・ミケルソン(米国)がPGAツアーを痛烈に批判した。いわく「ツアーはわれわれ選手から多くのマネーを搾取している。これが続けば別の戦う場所を見つけなければならない」と、アジアツアーのサウジ・インターナショナル(2月3~6日・サウジアラビア)で、米ゴルフ誌のインタビューに語った。
ミケルソンの言う別の戦う場所とは、現在ゴルフ界を騒がせている「新リーグ」のこと。サウジアラビアの潤沢なオイルマネーを背景に、ゴルフ界の重鎮、グレグ・ノーマン(オーストラリア)をトップに据えて世界のトップランカー40~50人を集め、チーム戦を戦うツアー構想が着々と進んでいる。
ブライソン・デシャンボー(米国)に1シーズン1億3500万ドル(約155億円)という巨額のオファーがあったと英新聞が報じた。デシャンボーは否定したが、多くの選手に多額を提示していることは間違いない。
今季のPGAツアーの賞金総額は昨季から15%以上アップした4億2700万ドル(約491億円)で、1試合の賞金総額の平均は910万ドル(約10億4650万円)。最高額のプレーヤーズ選手権の優勝賞金は360万ドル(約3億9600万円)だ。
年間レースのボーナスは1位が1800万ドル(約20億7000万円)、その他にツアーの好感度アップに貢献したトップ10の選手が得るボーナスは総額2000万ドル(約23億円)など次々とPGAツアーは高額賞金を用意するが、オンラインストリーミングや高騰する放映権でツアーは膨大な利益を得ており、「これでも十分に選手に還元されていない」とミケルソンは主張する一方で、「競争原理が働きPGAツアーが増額した。新ツアー構想のおかげだ」と感謝もした。
新ツアーへの参戦はまだ誰も発表していないが、ゴルフ界の「マネー戦争」はまだまだ続きそうだ。(全米ゴルフ記者協会会員)
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