女子野球の「リアル二刀流」 至学館高の吉安清投手が巨人の女子硬式野球チームに入団…背番号は「18」
2022年2月8日 17時39分
至学館高(愛知)女子硬式野球部の吉安清(せい)投手(3年)が、来年から本格始動するプロ野球・巨人の女子硬式野球チームに入団する。投手としては最速127キロの直球を武器にエースを務め、打者としては中軸を任される投打の二刀流。メジャーの舞台で「リアル二刀流」を実現した大谷のように、女子野球界に旋風を巻き起こす。
物心ついたころからグラブとボールが家にあり、ボールを投げるのが好きな野球少女だった。小学2年の時に「平田今尾クラブ」に入団。女子部員は4学年上に1人いただけだったが、「全然気にならなかった」。週2回は野球塾にも通い、小学6年で最速は100キロを計測してエースとして活躍した。
中学では軟式野球部に女子が入部できなかったため、硬式野球の「大垣ボーイズ」に入団。3年の時には女子の中日本地区選抜チームで主将も務め、至学館高では中軸を任されながらエースとしてチームを引っ張り、昨夏の全国大会16強に導いた。
昨年12月には女子野球選抜チームの一員としてイチローさんと対戦。マウンドから打席に立つレジェンドと対峙(たいじ)し、「オーラを感じた。とにかくキャッチャーのミット目がけて投げました」と自信のある直球とカーブを投げ込み、日米通算4367安打の安打製造機を投ゴロに打ち取った。
父親が巨人ファンだったこともあり、幼いころから巨人の桑田真澄投手チーフコーチのフォームを動画で見て参考にしてきた。入団が内定している巨人の女子硬式野球チームの背番号は「18」に決定。桑田コーチが現役時代にも背負った伝統のユニホームのエースナンバーに「すごい背番号をいただいた。頑張らないといけない」と気を引き締めた。桑田コーチと直接会うことができれば、「コントロールについて聞いてみたい」と笑顔をみせる。
高校まで続けた二刀流。許されるのであれば今後も継続するつもりだ。昨季のメジャーでリーグMVPを受賞したエンゼルス・大谷の活躍は大きな刺激になった。「メジャーで挑戦していることがすごい。できれば自分も二刀流でいきたい」。投手としては日本女子野球で前人未到の130キロ台、打者としては「女子野球ではあまり出ない」と言うホームランが打てる打者を目指す。
「まだまだ野球は男子のスポーツと感じる人が多い。ソフトボールの女子みたいに、野球といったら女子も男子もと思われるようにしたい」。自身のことだけでなく、女子野球の知名度向上にも意欲を燃やす。投打で活躍し、女子野球界の大谷になる。
▼吉安清(よしやす・せい) 2003年2月28日生まれ、岐阜県海津市出身の18歳。167センチ、64キロ、右投げ左打ち。今尾小2年の時に地元の少年野球チーム「平田今尾クラブ」で野球を始めた。平田中では硬式の「大垣ボーイズ」に所属し、内野手兼投手として活躍。至学館高ではエースで中軸打者としてチームを引っ張り、今夏の全国大会16強に導いた。
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