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<田原牧の磯釣りシリーズ> 伊豆大島の地磯で何と70センチマダイ!

2022年2月8日 05時00分

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釣り上げた70センチ=3・5キロのマダイ。堂々たる姿にほれぼれする

釣り上げた70センチ=3・5キロのマダイ。堂々たる姿にほれぼれする

 オミクロン株のまん延でうんざりである。とはいえ、季節はめぐって磯釣り最盛期の真冬を迎えた。一月下旬、「密」とは無縁な地磯を目指し、ツバキの花がほころぶ伊豆大島に渡った。そこでは、いつも通り磯のドラマが待っていた。 (東京新聞記者・田原牧)

◆定宿「おくやま荘」拠点にガッツリ地磯2日間

 磯釣りシーズンの週末だというのに、東京・竹芝の東海汽船の待合所は閑散としていた。それでもポツポツと同好の士の姿が見える。ただ、道具に目をやると、ルアー愛好者の若者たちが圧倒的だ。年配者には自分のような餌釣り派が多いが、コロナ禍で足が遠のいているのだろう。
 今回の釣行は定宿「おくやま荘」を拠点に二日間だ。両日とも潮は中潮で風も弱め。予報では雨も降らないという。

◆予想外の裏磯・川の沢うねりに苦戦し移動

 初日の釣り場は、裏磯(大島の東側)の川の沢である。だが、現場につくと予想と違った。うねりが入っている。ここは浅く、波頭が崩れるあたりが仕掛けの投入点だ。
 「なあに、前日からのうねりだ。夜になれば収まるだろう」とたかをくくったが、大失敗。時折しぶきを被りながら続けたが、釣果は40センチ弱の尾長メジナが2匹の貧果に終わった。
 二日目。再び、川の沢へ。遠目には静かに見えたが現場に着くと、まだうねりが残る。沈思黙考。荷物が重い。動きたくない。でも、前夜の難行を繰り返したくない。結局、明るいうちの釣り場変更を決心した。
 行き先は通称「階段下」の磯で、ここは水面から17メートルはある高場だ。竿はめったに使わない4号をチョイス。道糸は8号で、ハリスは6号。オモリ1号にグレ針9号。魚体が1キロ程度なら、これで巻き上げられるはずだ。餌は生オキアミである。
 ちなみにこんな太仕掛けはメジナ釣りの教科書に照らせば、非常識極まりない。しかし、最適な仕掛けは地域ごとに異なるものだ。大島には大島流があるのだ。
 明るいうちに30センチほどのメジナがかかり、リリースしつつ活性に安心する。本番は夜なのだ。ところが、暗くなるや食いが止まった。想定外の雨まで降ってきた。それでも、足元からゆっくりと沖に向かう潮にウキを乗せて打ち返す。一匹でいい。何とかしたい。

◆“タモ様” “太仕掛け様” “仏様” おかげさまで引き上げられました

 50メートルほど沖で電気ウキがもぞもぞした。一呼吸置いてアワセる。生体反応あり。しかもデカい。初めの突進で糸を出し、少しずつ巻き寄せる。17メートル下となると、ヘッドライトを照らしてもよく見えない。抜き上げが無理なのは竿のしなりで分かる。こうなると、落としダモしかない。でも一人では扱いが面倒で、取れる確率は半減する。
 とはいえ、他に方法はない。道糸の張りを保ちつつ竿を網に通し、ロープを伸ばしていく。張り付いたと思った魚が少し動いた。そのタイミングでロープをたぐると、道糸が緩んだ。網に魚が入った証拠だ。だが、今度は崖の途中に網が掛かって上がらなくなった。
 息が上がり、ロープを近くの岩に縛り、小休止して考える。その時、ひらめいた。「そうだ、今日はタモがある」
 今日は当初、浅場の釣り場を考えていたので、高場には携行しないタモを持っていたのだ。このタモの柄でロープを浮かせられる。すぐに持ち出し試みると、網が崖のくぼみから外れた。
 網の中が見えた。巨大なイスズミを予想していたが、なんと白ではなく「赤い」。引きずり上げると、体長70センチ、3・5キロのマダイだった。1月にマダイとは…。道糸は崖に擦れて切れる寸前だった。時計を見ると、午後8時半。普段ならもう一勝負だが雨も強くなってきた。欲をかくと、経験的には事故につながる。早上がりを決めた。
 近くの磯では先輩の磯釣り師が2年前に行方不明になった。きっと先輩が釣らせてくれたのだろう。背負子に荷物を縛り終わるや、その磯に向かって手を合わせた。
<田原牧プロフィル> 本紙姉妹紙・東京新聞に籍を置き、仕事モードはメッポー怖いとされる。裏の顔はガチの磯釣り師。忙しい中でも空いた時間を見つけては釣り場に通う日々。メジナをメインターゲットとし、よんまる(40センチ)超えを目標にしている。ホームグラウンドの城ケ島へは電車とバスを乗り継ぎ通う。

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