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【石川】珠洲群発地震の原因か 流体の動き 継続監視

2022年2月3日 05時00分 (2月3日 10時49分更新)
石川県珠洲市の日置ハウスに設置が検討されている重力計(田中愛幸准教授提供)

石川県珠洲市の日置ハウスに設置が検討されている重力計(田中愛幸准教授提供)

  • 石川県珠洲市の日置ハウスに設置が検討されている重力計(田中愛幸准教授提供)
  • 重力計の設置に向けて現地調査がされる日置ハウス=同市折戸町で

東大研究者、18日 重力計設置へ調査

 石川県珠洲市で発生している群発地震は京大や金沢大の研究や調査から、奥能登地域の地下にある水かマグマと考えられる流体が地盤に影響を与えて引き起こしているとの見方が強まっている。これを踏まえ、東大の研究者が十八日、同市折戸町で流体による重力の変化を分析するため事前調査する。重力計を設置できれば、流体の動きを継続的に追えるとして研究者らは原因解明を目指している。(上井啓太郎)
 流体が地震に影響を与えているのではという予想は以前からあったが、昨年秋に京大防災研究所や金沢大が始めた衛星による精密な位置情報(GNSS)を使った地殻変動の観測や、地下を流れる電流の変化の調査でも、それを裏付ける結果が出てきている。
 流体が移動すると、周囲の重力がわずかに変化する。流体が上昇する傾向があった場合、それに伴って地震の震源も浅くなり、被害が大きくなる可能性がある。一方、流体の移動があまり観測されない場合は、地震が終息に向かう可能性もあると考えられている。
 このため、東大の田中愛幸(よしゆき)准教授(45)=地球惑星科学=が折戸町の交流施設「日置ハウス」に重力変化を調べる重力計を設け、観測を続けることで、流体の動きを監視する。十八日には、重力計を設置できるかの現地調査をする。
 田中准教授によると、重力計は精密な機械のため、地盤が安定した場所で、空調設備が整った室内でないと設置できない。現地調査でそうした条件を満たせば、三月をめどに機器を設置し、一回につき三日程度観測をする。その後も半年〜一年ほどの間隔を空けながら断続的に観測する。
 同様の調査は、静岡県伊東市沖の群発地震でも一九九七〜九八年に実施。この調査では、地下の断層にマグマか水が貫入して地震が起きたことが判明した。田中准教授は「(奥能登の地震は)通常の群発地震に比べ非常に長く続いており、珍しい現象」として「今回取得するデータをGNSSのデータと合わせることで、群発地震の発生原因を解明することが期待される」と説明している。

【メモ】 奥能登地方の群発地震 珠洲市周辺では、2018年ごろから地震の回数が増加。昨年には震度1以上の揺れを70回観測するなど活発な地震活動が続いており、昨年9月16日には最大震度5弱の地震も発生した。1月21日には珠洲市役所で、金沢大の専門家、金沢地方気象台や市の職員らが会議を開き、現状分析を共有した。


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