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愛知・犬山市、お役所言葉を追放中 全職員に言い換え例など手引

2022年2月3日 05時00分 (2月3日 09時06分更新)

犬山市が職員に配った「市民に伝わる文書作成の手引き」

 犬山市役所が「お役所言葉」の追放に取り組んでいる。法令用語など硬い表現の言い換え例や、伝わりやすい文書のポイントを載せた手引を全職員に配った。手引の中では自ら「お役所言葉は、市民にとっては読みにくい用語の代表例」とまで言い切っており、職員一丸で改善を進めるという。
 「鑑み」は「考慮して」、「資する」は「役立てる」に置き換えを−。三十四ページから成る、その名も「市民に伝わる文書作成の手引き」では、言い換えによる文章の改善例、書き方のポイントやチェックリストなどを紹介している。昨年三月に一度作り、内容を改良して十二月に配布した。
 作成した総務課の宮地康文さん(34)によると、職員がつい使ってしまうのが法令用語や専門用語。普段から法律を確認しながら仕事をするため、一般的でなくとも自然と使ってしまうという。専門用語は難解な印象を与えかねず、手引では分かりやすい言葉への置き換えを求めた。
 一つの文章に否定の言葉が二つある「二重否定」も、分かりにくい表現の代表格。例えば「市内に住所を有する人以外の人は利用できません」という文は、「市内に住む人だけが利用できます」と改める。分かりにくいだけでなく、意味を誤解される恐れがある。
 長ったらしい時候のあいさつや過度に丁寧な言葉、特別養護老人ホームを指す「特養」などの略語も、できるだけ使わないよう呼び掛けている。
 市町村職員は文書を作る際、県などが発行する「公文書作成の手引き」を参考にしている。文書の体裁や文例まで載った公文書の手本だが、「お役所言葉」も多く使われている。犬山市では、もっと伝わる文書にできると感じていた山田拓郎市長の指示で、改善に取り組んできた。
 手引では書き方だけでなく、デザインやレイアウトにも触れた。各課で「伝わる文書作成推進委員」を一人ずつ任命し、分かりやすい文書になっているかチェックしている。好事例は全職員で共有するなど、ここまで力を入れているのは県内自治体で犬山市だけという。
 「情報が正確で網羅されていても、伝わらなければ意味がない。既成概念にとらわれず改善していきたい」と宮地さん。「お役所言葉」を将来、親しみやすい用語の代名詞に変えようともくろんでいる。
 (水越直哉)

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