本文へ移動

【本城雅人コラム】違和感覚える「この馬は硬いからダート」に大きな勘違いと芝が上という偏見がある

2022年1月31日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
マルシュロレーヌ

マルシュロレーヌ

◇コラム「ぱかぱか日和」
 競馬を見ていていつも違和感を覚える言葉がある。「この馬は硬いからダートがいいでしょう」と解説者などが言った時だ。硬い? 動作にしなやかさがなく、力むだけで全身を使い切れず、持てる能力をすべて発揮できない…。人間のスポーツならあまりいい選手には使われない。だがダート馬にも一流馬がたくさんいるし、米国のように芝よりダートがメインの国もある。その米国から多くの種牡馬を導入して今日の日本の質の高いサラブレッドは生産されてきた。それが硬いからといってダート馬にして、また米国から種牡馬や繁殖牝馬を導入して配合する。これは矛盾していないかと。
 矢作調教師に尋ねた。矢作師は言葉が持つ意味を再考するかのように、しばらく首をひねってから「やはり硬いが該当するんじゃないですかね。我々も『硬い筋肉だからダートかな』と思うし、逆に筋肉がふにゃふにゃすぎてダートを走れない馬もいます。一般的に短距離馬は硬い筋肉、長距離を走れる馬は柔らかい筋肉の馬が多いですね」と話した。なるほど、私が思ったのは体の硬さであって、専門家は筋肉の質を判断してその言葉を使用している。ただ大いなる勘違いをした私を気遣ってくれたのか、矢作師はこう補足した。
 「そのように聞こえているとしたら、日本の競馬は長い間、芝のレースの方が上だと、ダート競馬を見下してきたからでしょう。そういった誤解は生まないように気をつけないといけない」
 そうした意識を持つことは関係者だけでなく、メディア、私のように競馬コラムを書く者も同じだ。大井競馬場で育ち、昨年はマルシュロレーヌで、日本調教馬としては初めて米国のダートG1、それもブリーダーズカップ・ディスタフを勝たせた。ダート競馬に理解あるトレーナーらしい言葉を、つねにかみ締めておきたい。(作家)

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ