本文へ移動

空海も見た?堆積層 浜松・舘山のチャート海岸

2022年1月31日 05時00分 (1月31日 05時03分更新)
赤褐色のチャートが露出した海岸。夕日を浴びてよりいっそう赤みが増した=浜松市西区舘山寺町で

赤褐色のチャートが露出した海岸。夕日を浴びてよりいっそう赤みが増した=浜松市西区舘山寺町で

 弘法大師(空海)が開創したと伝わる曹洞宗秋葉山舘山寺(浜松市西区)から、舘山(たてやま)の遊歩道を歩くこと約十分。標高約五十メートルの山頂を挟んで寺のちょうど反対側に「チャート海岸」はある。赤茶色のごつごつした岩々に浜名湖の波が打ち寄せる。
 県内の地質に詳しい静岡大地域創造学環の小山真人教授によると、「チャート」は海中プランクトン「放散虫」が水深二千メートルほどの海底に堆積してできた。この海岸の岩石は酸化鉄を多く含んで赤色が濃く、層の線がくっきりと分かることから「赤色層状チャート」と呼ばれる。
 岩石となった時代の環境によって灰色や緑、黒など色が変わるとされ、およそ二億五千万年前にできたとみられる。堆積の速さは千年で厚さ一ミリ程度。まだ日本列島が影も形もない時代から、途方もない時間を経て硬い岩となり、地殻変動や浸食によってこの位置に姿を現した。
 弘法大師は地質や地学に通じていたとの説もある。師はチャート海岸の存在を知っていたのだろうか。赤岩にぶつかる波の音を聞きながら、空想は堆積していった。
  写真・文 川戸賢一

関連キーワード

おすすめ情報