<なんしん見聞録> 根羽の移住者、石橋さん 松ぼっくりで動物造形
2022年1月30日 05時00分 (1月30日 12時35分更新)
松ぼっくりを基礎に、ドングリや木の枝といったどこの山中にもありそうな自然物を使って工作する「松ぼっくりクラフト」。聞き慣れない言葉だったが、作品づくりにいそしむ移住者がいると聞き、一月下旬、根羽村に車を走らせた。(二神花帆)
雪深い別荘地に入ると、かわいらしい住宅が目についた。松ぼっくりクラフトを手掛ける石橋孝夫さん(71)が出迎えてくれた。室内の棚には五十点以上の作品が並んでいた。ライチョウやヒメネズミ、ゾウなど、ほぼ全てが動物で、今にも動きだしそうだ。
茶色の毛並みまで表現されたクマの作品に目が留まった。「リスが食べ残した松ぼっくりの芯を使っているんですよ」と石橋さん。細部をよく見ると、確かに荒々しい毛並みは何かにかじられた跡のようだ。
リスの耳にはドングリを、鳥の細い足には枝を使っている。「自然物をできるだけ使う」のがこだわりだ。
石橋さんが追及しているのは、人形ではなく「実物に近い動物の姿」。材料は、自身で山に入り、集めている。色彩鮮やかな鳥などは、アクリル絵の具で色づけするが、基本は自然物の持つ色味を生かす。仕上げるには通常、半日から一週間程度かけるという。
石橋さんが松ぼ...
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